• TOP
  • ブログ
  • アンケート分岐の作り方7ステップ|離脱を防ぐ設計のコツ12選を徹底解説
 

blog
診断・ヒアリングDXブログ

アンケート分岐の作り方7ステップ|離脱を防ぐ設計のコツ12選を徹底解説

SHARE

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena
  • Pocket
  • LINE

アンケート分岐を正しく設計できると、回答者は「自分に関係のある質問」だけに答えればよくなり、途中離脱が大きく減ります。

一方で、分岐条件が曖昧なまま作ってしまうと、質問が飛ばされすぎてデータが集まらない、集計時に分母がバラバラになって分析できない、といった失敗が起こりがちです。

本記事では、アンケート分岐の作り方を7ステップで解説し、分岐の種類7つ、主要ツール7種の比較表、そのまま使える質問項目テンプレート、離脱を防ぐ設計のコツ12選、集計・分析の実務までをまとめました。

読み終える頃には、自社のアンケートにどの分岐をどう組み込めばよいかが具体的に判断できる状態になりますので、ぜひ参考にしてください。

著者情報:Interviewz(インタビューズ)編集部

Interviewzは、ノーコードで条件分岐付きのアンケート・ヒアリングフォームを作成できるSaaSです。BtoBのリード獲得、顧客満足度調査、採用ヒアリング、人材派遣の定着支援など、幅広い業種で導入されており、導入企業ではリード数268%向上、ヒアリング工数90%削減といった成果が生まれています。本記事はその設計支援の現場で蓄積した知見をもとに構成しています。

▼分岐設計のノウハウを1冊にまとめた資料をお探しの方はこちら
👉 ユーザーからの回答率の高いアンケートの作り方【6つのコツ】

アンケート分岐とは?基本の仕組みと注目される背景

まずはアンケート分岐が何をする機能なのか、そしてなぜ今あらためて重要視されているのかを整理します。ここを曖昧にしたまま設定作業に入ると、後の工程で必ず手戻りが発生します。

アンケート分岐(スキップロジック)とは回答に応じて設問を出し分ける仕組み

アンケート分岐とは、回答者が選んだ選択肢に応じて、次に表示する質問を自動的に切り替える機能のことです。海外ツールでは「スキップロジック(Skip Logic)」「ロジックジャンプ(Logic Jump)」「ブランチング(Branching)」と呼ばれ、日本語では「条件分岐」「設問分岐」と表記されることもありますが、指している機能はほぼ同じです。

たとえば「当社のサービスを利用したことがありますか?」という設問で「はい」を選んだ人には満足度や改善要望を、「いいえ」を選んだ人には検討状況や未利用の理由を尋ねる、といった出し分けができます。

ポイントは、分岐は「回答者の体験」と「データ構造」の両方を同時に変える機能だという点です。回答者にとっては設問数が減って負担が軽くなりますが、分析側から見ると「その設問に答えた人」と「答えていない人」が生まれ、集計の分母が設問ごとに変わります。この二面性を理解しているかどうかが、成果の出る分岐設計とそうでない設計を分ける最大の境界線です。

通常のアンケートと分岐型アンケートの違い

通常のアンケートは、全員に同じ設問を同じ順序で提示します。作るのは簡単ですが、回答者の半分以上にとって「自分には関係のない設問」が混ざるという構造的な弱点があります。

関係のない設問が続くと、回答者は「このアンケートは自分向けではない」と感じ、途中で離脱するか、面倒になって適当に答えます。後者のほうが厄介で、離脱してくれたほうがまだマシと言えるほど、雑な回答はデータの信頼性を静かに壊します

分岐型アンケートは、回答者ごとに通るルートを変えることでこの問題を解消します。設問の総数が30問あっても、1人が実際に答えるのは8〜12問、という設計が可能になります。

比較項目 通常のアンケート 分岐型アンケート
設問の提示 全員に同一の設問 回答内容に応じて出し分け
1人あたりの設問数 作成した設問数と同じ 作成数の3〜5割程度に圧縮できる
回答者の負担 大きい(無関係な設問が混在) 小さい(関係する設問のみ)
回答の質 後半ほど雑になりやすい 集中力が持続しやすい
作成の手間 小さい 設計工数が必要
集計の難易度 低い(分母が一定) やや高い(設問ごとに分母が変動)
向いている場面 設問5問以下の簡易調査 対象者が複数層にまたがる調査

つまり分岐は「万能の改善策」ではなく、設計工数と集計の複雑さを引き受ける代わりに、回答体験とデータ精度を買う取引だと考えるのが実務的です。設問が5問以下で対象者も単一層なら、分岐を入れないほうが早く、正確です。

アンケート分岐が2026年にあらためて重要視される3つの背景

分岐機能自体は以前から存在しますが、ここ数年で重要度が明確に上がっています。理由は大きく3つあります。

背景1:回答の8割前後がスマートフォンに移行した

BtoC調査を中心に、アンケート回答の主戦場は完全にスマートフォンへ移りました。スマホの画面では1画面に表示できる設問が限られ、スクロール量がそのまま離脱率に直結します。PCでは「長いな」で済んだ30問が、スマホでは「無理」になります。分岐で表示設問を絞り込むことは、スマホ時代のほぼ必須条件です。

背景2:パーソナライズが当たり前になり、画一的な質問が不自然に見える

ECもメディアも広告も、ユーザーは日常的にパーソナライズされた体験に触れています。その中で「全員に同じ30問」を送ると、顧客理解が浅い企業だという印象を与えかねません。分岐は回答負担を減らすだけでなく、「こちらはあなたのことを理解している」というメッセージにもなります。

背景3:取得したデータをそのままMA・CRMに流す運用が一般化した

アンケート結果を集計して終わりにせず、MAツールやCRMにセグメント情報として連携する運用が広がりました。この場合、「誰にどの設問を出したか」がそのままセグメント定義になります。分岐設計は、実質的にセグメント設計そのものだと捉えるべき段階に来ています。

分岐と混同されやすい「表示ロジック」「パイピング」との違い

実務でつまずきやすいのが、似た名前の機能を混同してしまうケースです。ツールのマニュアルを読む前に、次の3つの違いを押さえておくと理解が早まります。

分岐(スキップロジック)は、回答に応じて「次に進む先」を変える機能です。ページ/セクション単位で動くツールが多く、原則として「次へ」を押した時点で行き先が決まります。

表示ロジック(同一ページ内の出し分け)は、ページ遷移を伴わずに、同じ画面上で追加の設問を出したり隠したりする機能です。「その他」を選んだときだけ自由記述欄が現れる、といった挙動がこれにあたります。回答者にとってはページ遷移がない分ストレスが少なく、短いアンケートとの相性が良いのが特徴です。

パイピングは、前の設問の回答内容を後の設問文に差し込む機能です。「先ほど選んだ〇〇について、満足した点を教えてください」のように文中に回答を反映します。分岐と組み合わせると、質問文の自然さが一段上がります。

この3つを整理せずにツールを比較すると、「分岐ができる」と書かれていても実際は表示ロジックだけ、というミスマッチが起こります。自社がやりたいのはルート分岐なのか、同一画面での出し分けなのかを言語化してから比較検討に進むことが、ツール選定の失敗を防ぐ最短ルートです。

▼アンケートツールの選定基準を体系的に知りたい方はこちら
👉 アンケートツール選び方ガイド

アンケート分岐の種類7つと使い分け【一覧比較表】

「分岐」とひと言でいっても、実務で使われるロジックは大きく7種類に分かれます。まずは全体像を一覧で把握し、自社の調査目的に必要なものだけを選ぶのが、複雑化を防ぐコツです。

# 分岐の種類 仕組み 実装難易度 主な用途
1 単一回答分岐 1つの設問の選択肢に応じて行き先を変える 利用者/未利用者の切り分け
2 複数条件分岐(AND/OR) 複数設問の回答を組み合わせて判定 業種×役職などの掛け合わせ
3 スコア分岐 点数・NPSなど数値の範囲で判定 推奨者/批判者の出し分け
4 ページ/セクション分岐 ページ単位でまとめて遷移先を変える ルートごとの設問群の切り替え
5 表示ロジック 同一画面で設問を表示/非表示 「その他」の自由記述追加
6 失格ロジック 条件外の回答者を途中で終了させる スクリーニング調査
7 割付・クォータ 属性ごとの回収数上限で自動締切 市場調査の構成比コントロール

① 単一回答分岐(スキップロジック)|まず最初に使うべき基本形

もっとも基本的で、もっとも使用頻度が高いのがこの形です。ラジオボタンやプルダウンで選んだ選択肢に応じて、次に進むセクションを切り替えます。

「貴社では〇〇ツールを導入していますか?」に対して「導入済み」「検討中」「未検討」の3択を用意し、それぞれ別ルートへ飛ばす、というのが典型例です。ほぼすべてのアンケートツールが対応しているため、まずはこの形だけで設計を組み立てられないかを検討してください。

注意すべきなのは、起点にできる設問形式が限られる点です。多くのツールではラジオボタン(単一選択)とプルダウンのみが分岐の起点になり、チェックボックス(複数選択)や自由記述は起点にできません。設計段階で「この設問は分岐の起点だから単一選択にする」と決めておくと、実装時の手戻りがなくなります。

② 複数条件分岐(AND/OR)|セグメントを掛け合わせて精度を上げる

複数の設問の回答を組み合わせて行き先を決めるのが複数条件分岐です。「業種=製造業」かつ「従業員数=300名以上」の場合のみエンタープライズ向け設問へ、といった制御ができます。

BtoBのリード獲得アンケートでは、この分岐が商談化率に直結します。属性の掛け合わせでルートを分けることで、確度の高いリードにだけ深い質問を投げられるためです。

ただし条件を増やすほどテストの手間が指数的に増えます。条件が3つを超えると、検証すべきパターンが十数通りに膨らみ、実装ミスに気づけなくなります。複数条件分岐は「本当にそこで分ける価値があるか」を都度問い直しながら、最小限に留めるのが鉄則です。

③ スコア分岐|NPSや点数の範囲でルートを変える

0〜10点のNPS設問や、複数設問の合計点をもとに分岐させる方式です。NPS調査では「9〜10点=推奨者」「7〜8点=中立者」「0〜6点=批判者」に分け、それぞれに違う深掘り質問を出すのが定番の設計です。

推奨者には「どこを評価いただけましたか」「知人に紹介いただけますか」と聞き、批判者には「特に改善してほしい点」「解約を検討した理由」を聞く。同じ「理由を教えてください」でも、聞き方を変えるだけで回収できる情報の質が大きく変わります

スコア分岐は診断コンテンツとも相性が良く、点数に応じてタイプ判定結果を出し分ける形で、リードナーチャリングに転用できます。

④ ページ/セクション分岐|設問群をまとめて切り替える

設問単位ではなく、ページ(セクション)単位で遷移先を制御する方式です。Googleフォームはこの方式を採用しており、「回答に応じてセクションに移動」という設定で、選択肢ごとに飛び先セクションを指定します

この方式で見落とされがちなのが、各セクションの末尾にも「次のセクションへ進む」設定が必要だという点です。ここを設定し忘れると、ルートAを通った回答者がそのままルートBの設問にも流れ込み、想定外のデータが混ざります。実装後のテストで最初に確認すべきポイントです。

⑤ 表示ロジック|同一画面で設問を出し入れする

ページ遷移を伴わず、同じ画面内で設問の表示/非表示を切り替える方式です。「その他」を選んだときだけ自由記述欄を出す、「はい」を選んだときだけ詳細設問を展開する、といった使い方をします。

ページ遷移が発生しないぶん体感速度が速く、離脱を最小化できるのが最大の利点です。設問数が10問前後の短いアンケートでは、ページ分岐よりも表示ロジックを優先したほうが完了率は高くなる傾向があります。

一方で、条件が複雑になると画面がガタガタと動いて回答者を混乱させます。1画面あたりの表示ロジックは2〜3個までに抑えるのが安全です。

⑥ 失格ロジック(スクリーニング)|対象外の回答者を早期に終了させる

調査対象の条件を満たさない回答者を、冒頭数問で判定して終了画面へ誘導する仕組みです。「20代女性・化粧品を月1回以上購入」といった条件を満たさない人に本調査を答えてもらっても、データとしては使えません。

対象外の方に最後まで答えさせてしまうのは、相手の時間を奪う行為でもあります。失格ロジックを入れる際は、終了画面に「今回の調査対象外でした。ご協力ありがとうございました」と丁寧な文言を必ず添えてください。何の説明もなく突然終了すると、ブランド毀損につながります。

⑦ 割付・クォータ制御|回収データの構成比をコントロールする

「20代100名、30代100名、40代100名」のように属性ごとの回収上限を設定し、上限に達したセグメントの回答受付を自動的に締め切る機能です。市場調査やリサーチ会社のパネル調査で使われます。

7種類の中でもっとも実装難易度が高く、対応しているツールも限られます。自社アンケートで割付が必要になるのは、母集団構成比を再現した統計的な分析を行いたい場合に限られるため、多くの企業にとっては優先度の低い機能です。

▼分岐を含むアンケート設計の型を知りたい方はこちら
👉 ヒアリングシート作成ガイド(マーケティングリサーチ編)

主要アンケートツール7種の分岐機能を徹底比較

分岐設計が決まっても、使うツールが必要なロジックに対応していなければ実装できません。ここでは代表的な7ツールについて、分岐機能の観点から比較します。

ツール 対応する分岐 複数条件 スコア分岐 無料での利用 向いている用途
Googleフォーム セクション分岐 △(設問の工夫で代替) △(テスト機能で代替) ◎ 無料 社内調査・簡易アンケート
Microsoft Forms 設問/セクション分岐 ○ M365に付帯 社内・組織内アンケート
Typeform ロジックジャンプ・表示ロジック ◎(計算機能あり) △ 無料枠は回答数制限 診断・デザイン重視のLP連動
SurveyMonkey スキップ/高度な分岐・失格・割付 △ 上位プランが必要 本格的なリサーチ調査
Questant 設問分岐・スクリーニング ○ 無料プランあり 国内向けリサーチ調査
formrun 基本的な条件分岐 × ○ 無料プランあり 問い合わせ・応募フォーム
Interviewz 単一・複数条件・スコア分岐
チャット型UI対応
○ 無料トライアルあり BtoBヒアリング・診断・CS調査

※各ツールの機能・料金体系は変更される場合があります。導入前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

Googleフォームの分岐設定方法|無料で始めるなら第一候補

Googleフォームは、セクション単位の分岐に対応した無料ツールです。設定は起点となる設問の右下「︙」メニューから「回答に応じてセクションに移動」を選択し、選択肢ごとに飛び先セクションを指定します。

手順自体は数分で終わりますが、つまずきポイントも明確です。分岐が効かない原因の大半は「回答に応じてセクションに移動」のチェック漏れか、各セクション末尾の遷移設定漏れです。また、分岐は「次へ」を押した時点で発動するため、同じ画面内で即座に設問が切り替わる挙動は実現できません。

起点にできるのはラジオボタンとプルダウンのみで、チェックボックスや自由記述は使えない点も、設計段階で押さえておく必要があります。

Microsoft Formsの分岐設定方法|Microsoft 365環境ならこれ

Microsoft Formsは、設問ごとの「︙」メニューから「分岐の追加」を選び、選択肢ごとの遷移先を指定します。Microsoft 365を導入済みの組織であれば追加費用なしで使え、Excelへの自動集計とTeams連携がそのまま使えるのが強みです。

ただし複雑な複数条件分岐やスコア分岐には向いておらず、社内アンケートや簡易的な申込フォームが主戦場になります。

Typeformの分岐設定方法|診断コンテンツに強いロジックジャンプ

Typeformの「ロジックジャンプ」は、複数条件の組み合わせや計算式(Calculator)による点数付けに対応しており、7種類の分岐のうち多くをカバーできます。1画面1設問のインターフェースと組み合わせることで、診断コンテンツのような体験を作れるのが最大の特徴です。

一方で無料プランは回答数に上限があり、本格運用には有料プランが前提になります。日本語UIやサポート面も含めて検討が必要です。

SurveyMonkeyの分岐設定方法|リサーチ用途の最上位クラス

SurveyMonkeyは、質問スキップロジック、ページスキップロジック、高度な分岐、失格ロジック、割付(クォータ)、パイピング、ランダマイズまで一通り揃った本格派です。本記事で紹介した7種類の分岐をほぼすべて実装できます。

その分、高度な分岐や割付は上位プランでの提供となるため、コストは高めです。統計的な精度が求められる市場調査を継続的に行う組織向けの選択肢と位置づけるとよいでしょう。

ツール選定で押さえたい5つの比較軸

比較表を眺めるだけでは選びきれないため、判断軸を絞り込みます。次の5軸で自社の要件を採点すれば、候補は2〜3に絞れます。

1つ目は分岐の型です。ルート分岐だけでよいのか、同一画面の表示ロジックが必要なのか、スコア判定が必要なのかを最初に確定させます。

2つ目は集計・分析機能です。分岐アンケートは設問ごとに分母が変わるため、ツール側でルート別の集計やクロス集計ができるかどうかで、後工程の負担が大きく変わります。

3つ目は外部連携です。MA・CRM・チャットツールへ回答データを自動連携できるかは、アンケートを施策につなげられるかを左右します。

4つ目はスマートフォンでの表示品質です。回答の大半がスマホから来る前提で、実機での見え方を必ず確認してください。

5つ目はセキュリティと個人情報の取り扱いです。氏名・連絡先を取得する場合、保管場所・保管期間・権限管理の要件を満たすかを事前に確認する必要があります。

▼ツール比較を一覧で確認したい方はこちら
👉 ヒアリングツール10選

アンケート分岐の質問項目一覧表|そのまま使えるテンプレート

ここからは実務ですぐ使えるように、目的別の質問項目と分岐条件をセットにした一覧表を掲載します。自社の言葉に置き換えてそのまま設計シートに転記できる形にしています。

BtoBリード獲得アンケートの質問項目と分岐条件

商談化率を高めるには、「検討段階」で最初に分岐させ、確度の高い層にだけ深掘りするのが基本形です。

No. 設問内容 回答形式 分岐条件 次の設問
Q1 ご検討状況を教えてください 単一選択 「導入済み」 Q2へ
      「比較検討中」 Q5へ
      「情報収集段階」 Q8へ
Q2 現在ご利用中のツール名 単一選択 Q3
Q3 現行ツールで感じている課題 複数選択 Q4
Q4 乗り換えを検討する時期 単一選択 Q11へ
Q5 比較中のツール数 単一選択 Q6
Q6 重視する選定基準(上位3つ) 複数選択 Q7
Q7 導入予定時期と予算感 単一選択 Q11へ
Q8 解決したい業務課題 複数選択 Q9
Q9 情報収集のきっかけ 単一選択 Q10
Q10 資料送付の希望 単一選択 Q11へ
Q11 会社名・部署・役職 記述 Q12
Q12 ご連絡先メールアドレス 記述 完了

この構成なら、作成した設問は12問でも、1人が実際に答えるのは6〜7問に収まります。導入済み層と情報収集層で聞くべき内容がまったく違うため、分岐の効果がもっとも出やすい領域です。

顧客満足度(NPS)調査の質問項目と分岐条件

NPS調査は、スコア分岐によって推奨者・中立者・批判者に振り分けるのが標準設計です。

No. 設問内容 回答形式 分岐条件 次の設問
Q1 知人に薦める可能性は?(0〜10) スコア 9〜10点 Q2(推奨者ルート)
      7〜8点 Q4(中立者ルート)
      0〜6点 Q6(批判者ルート)
Q2 特に評価いただいた点 複数選択 Q3
Q3 導入事例への協力可否 単一選択 Q8へ
Q4 あと1点上げるために必要なこと 自由記述 Q5
Q5 利用頻度 単一選択 Q8へ
Q6 不満を感じた具体的な場面 複数選択 Q7
Q7 担当者からの連絡希望 単一選択 Q8
Q8 その他ご意見 自由記述 完了

重要なのは、批判者ルートに「担当者からの連絡希望」を必ず入れることです。不満を抱えた顧客との接点をその場で作れるかどうかが、解約防止の分かれ目になります。

採用・人事アンケートの質問項目と分岐条件

採用前ヒアリングや従業員サーベイでは、職種や在籍年数で分岐させて、設問の粒度を揃えるのが有効です。

No. 設問内容 回答形式 分岐条件 次の設問
Q1 ご応募(在籍)職種 単一選択 エンジニア Q2(技術ルート)
      営業・CS Q4(対人ルート)
      バックオフィス Q6(管理ルート)
Q2 使用経験のある言語・環境 複数選択 Q3
Q3 直近の開発体制・役割 自由記述 Q8へ
Q4 担当した商材・顧客規模 複数選択 Q5
Q5 実績(目標達成率など) 自由記述 Q8へ
Q6 担当業務領域 複数選択 Q7
Q7 使用経験のあるシステム 複数選択 Q8
Q8 働くうえで最も重視する条件 単一選択 完了

▼目的別のテンプレートをまとめて入手したい方はこちら
👉 ヒアリングシート/アンケートテンプレート一覧

アンケート分岐の作り方7ステップ|失敗しない設計手順

ここからが本記事の中核です。分岐アンケートは「設計7割・実装3割」で、ツールを触る前の準備がそのまま成果を決めます。以下の7ステップの順番を守ることが、手戻りを防ぐ最大のポイントです。

STEP1:調査目的とKPI、分析軸を先に決める

最初にやるべきは設問づくりではなく、「このアンケートの結果を使って、どんな意思決定をするのか」を1文で言語化することです。ここが曖昧なまま設問を作ると、聞きたいことが際限なく増え、分岐だけが複雑になっていきます。

「解約予兆のある顧客を特定し、CS担当がフォローする対象リストを作る」「価格改定の受容度を業種別に把握し、プラン設計に反映する」といった具体的な目的まで落とし込んでください。

あわせて、KPI(回答数・完了率・有効回答率)と、集計時に使う分析軸(業種・役職・利用歴など)を先に決めます。分析軸が決まれば、その軸の設問は「全員に必ず聞く共通設問」として分岐の外側に置く、という判断が自動的にできます。ここを最初に固めるだけで、後半の設計スピードが体感で倍近く変わります。

STEP2:回答者セグメントを定義しルートの数を決める

次に、回答者がどんな層に分かれるのかを洗い出し、ルートの数を確定させます。BtoBなら「導入済み/検討中/情報収集」、CS調査なら「推奨者/中立者/批判者」、採用なら「職種別」といった具合です。

このとき重要なのが、セグメントが「漏れなく・重ならない」状態になっているかの確認です。たとえば「利用中」「解約済み」の2択では、「トライアル中の人」がどちらにも当てはまらず、行き先を失います。

ルート数は原則3〜5に収めてください。ルートが6を超えると、1ルートあたりの回収数が分析に耐えないレベルまで薄まります。想定回収数を予定ルート数で割ってみて、1ルート30件を下回るようなら、ルートを統合する判断が必要です。

STEP3:質問項目を洗い出し「全員共通」と「ルート固有」に切り分ける

聞きたいことをすべて書き出したうえで、「全員に聞く共通設問」と「特定ルートだけに聞く固有設問」に仕分けします。この仕分けが、分岐設計の実質的な本体です。

共通設問に入れるべきなのは、STEP1で決めた分析軸に関する設問と、全ルートを横並びで比較したい設問です。逆に、ルートによって意味が変わる設問、片方の層には答えようがない設問は固有設問に振り分けます

仕分けの目安として、共通設問は5問以内、1ルートあたりの固有設問は3〜7問に収めると、全体の回答時間が3分前後に収まります。書き出した設問すべてに「この設問の回答で、どんなアクションを取るのか」を1行で書き添え、書けない設問は削除してください。「一応聞いておく」設問こそが、完了率を静かに削っている犯人です。

STEP4:分岐条件を「条件→行き先」の表に落とす

設問が固まったら、分岐条件を必ず表形式でドキュメント化します。頭の中やツールの画面上だけで組むと、条件の重複や抜けに気づけません。

表の列は「設問番号/設問内容/回答形式/選択肢/分岐条件/次の設問」の6列が基本形です。前章の質問項目一覧表と同じ形式だと考えてください。

この表を作る過程で、「どの選択肢を選んでも行き先が指定されていない」「同じ条件で2つの行き先が書かれている」といった論理矛盾が可視化されます。実装前にこの表をチーム内でレビューするだけで、実装後の手戻りが大幅に減ります。設計シートはスプレッドシートで管理し、実装担当と分析担当が同じものを見られる状態にしておくのが理想です。

STEP5:ロジックマップ(フローチャート)を作り全ルートを可視化する

表と併せて、ルートの流れを図で描きます。分岐のネスト(入れ子)は表だけでは把握しづらく、図にすると「このルートだけ設問が異常に多い」「ここで合流し忘れている」といった歪みが一目でわかります。

作図ツールは何でも構いませんが、「起点の設問」「選択肢」「行き先」「合流点」の4要素が描かれていることが条件です。特に合流点、つまり分岐したルートが再び共通設問に戻る箇所は、設定漏れが起きやすいので図上で明示しておきます。

この図はテスト工程のチェックリストにもそのまま使えるため、作成コストは十分に回収できます。

STEP6:ツールに実装する|設定順序を守ると速い

いよいよ実装です。効率的な順序は「①全セクション(ページ)の枠を先に作る → ②各セクションに設問を配置する → ③最後に分岐条件を設定する」です。

分岐条件を先に設定しようとすると、飛び先のセクションがまだ存在せず指定できません。枠を先に用意し、セクション名は「01_共通」「02A_導入済み」「02B_検討中」のように並び順とルートが一目でわかる命名規則で統一してください。ルートが増えたときの管理コストが劇的に下がります。

実装後は、必ず各セクションの末尾の遷移先設定も確認します。ここが「次のセクションに進む」のままだと、ルートが混線します。

STEP7:全ルートをテストし回答時間を実測する

最後に、設計したルートを1本残らず実際に回答してテストします。ロジックマップを見ながら、ルートAからルートEまで順に通し、想定した設問が出るか、想定外の設問が出ないかを確認します。

あわせて各ルートの回答所要時間をストップウォッチで計測してください。3分を超えるルートがあれば、そのルートの設問を削る判断材料になります。ルート間で所要時間が大きく偏っている場合も、体験の不公平さとして修正対象です。

さらに、実機のスマートフォンでのテストは必須です。PCでは問題なくても、スマホでは選択肢が折り返して読みづらい、ボタンが押しにくい、といった問題が頻繁に見つかります。可能であれば、設計に関わっていない第三者に1回通してもらうと、設問文の分かりにくさも同時に検出できます。

▼回答率を高める設計ノウハウをまとめて確認したい方はこちら
👉 ユーザーからの回答率の高いアンケートの作り方【6つのコツ】

離脱を防ぐアンケート分岐設計のコツ12選

ここでは、実際に成果が変わった分岐設計のコツを12個紹介します。すべてを一度に取り入れる必要はありません。まずは1〜4番を押さえるだけでも、完了率は目に見えて改善します。

コツ1:分岐の階層は3層までに抑える

分岐の中にさらに分岐を作る「ネスト」は、3層を超えた瞬間に管理不能になります。3層あれば理論上は最大で数十ルートに枝分かれし、テストすべきパターンも、集計時に扱うべきセグメントも一気に膨張します

判断基準はシンプルです。「このルートに何人流れてくるか」を試算し、想定回収数が30件を下回るルートが生まれるなら、その階層は作らない。分析に使えないデータのために設計を複雑にするのは、明確な損失です。

どうしても深く聞きたい場合は、分岐を深くするのではなく、対象を絞った別アンケートを2本目として設計するほうが、運用も分析もはるかに楽になります。

コツ2:分岐の起点は必ず「単一選択」で作る

多くのツールでは、複数選択(チェックボックス)や自由記述を分岐の起点にできません。起点にする設問は、設計段階からラジオボタンかプルダウンで作ると決めておくことで、実装時の作り直しがなくなります。

どうしても複数選択の内容で分岐させたい場合は、「最も当てはまるものを1つ選んでください」という単一選択の設問を別に立てるのが定石です。「複数選んだ人はどうする?」という条件分岐の泥沼に入らずに済みます。

この一手間を惜しむと、実装の終盤で「この設問では分岐できません」という壁にぶつかり、設計全体をやり直すことになります。

コツ3:選択肢は「漏れなく・重ならない」状態にする

分岐の起点となる設問の選択肢は、すべての回答者がどれか1つに必ず当てはまり、かつ2つ以上に当てはまらない状態でなければなりません。いわゆるMECEです。

「導入済み」「検討中」の2択では、まったく検討していない層が行き場を失います。逆に「20代」「20〜30代」のように範囲が重なると、回答者が迷い、データも歪みます。

最後の砦として「あてはまるものがない」「その他」を用意し、そのルートの行き先も必ず指定してください。行き先が未指定の選択肢が1つでもあると、そこを選んだ回答者が想定外のセクションへ流れ込みます。

コツ4:全員に聞く共通設問を最初と最後に配置する

分岐ルートの前後に共通設問を置くと、ルートをまたいだ比較分析ができるようになります。冒頭に属性設問、末尾に総合満足度や自由記述を置くのが基本形です。

逆に共通設問がルートの途中に散らばっていると、「どのルートの人がこの設問に答えたのか」が追いにくくなり、集計時に苦労します。

また、末尾の共通設問は「ここまで来たらあと少し」という到達感を作る役割も果たします。分岐で分かれた回答者が最後に同じ場所へ合流する構造は、体験としても自然です。

コツ5:進捗バーは「分岐後の実際の設問数」で表示する

進捗バーは離脱防止に効果的ですが、分岐アンケートでは表示の仕方を誤ると逆効果になります。作成した全設問数を分母にすると、分岐でスキップした回答者の進捗バーが不自然に飛んだり、逆にいつまでも進まなかったりします。

進捗が20%から一気に70%へ飛ぶと、回答者は「何か答え忘れたのでは」と不安になります。そのルートで実際に答える設問数を分母にした表示に設定できるかは、ツール選定時に確認したいポイントです。

対応できない場合は、進捗バーを非表示にし、代わりに「あと3問です」といったテキストで案内するほうが親切です。

コツ6:1ページあたりの設問数は3〜5問に揃える

スマートフォンでの回答を前提にすると、1画面に多くの設問を詰め込むほど離脱率が上がります。1ページ3〜5問を目安に区切ると、スクロール量と「次へ」を押す回数のバランスが取れます。

ただしページを細かく分けすぎると、今度は遷移のたびに読み込み待ちが発生し、体感速度が落ちます。設問1問ごとに1ページという構成は、診断コンテンツのような没入型の体験を作りたい場合を除き、通常のアンケートでは避けたほうが無難です。

ルートごとにページ数が大きく違う場合は、設問の配分を調整して揃えることも検討してください。

コツ7:ルート間で設問数の偏りをなくす

あるルートは3問で終わり、別のルートは15問続く——こうした偏りは、回答者にとっての不公平感を生むだけでなく、データの偏りも生みます。設問が多いルートほど途中離脱が増えるため、そのセグメントのデータだけが少なくなるのです。

特に注意したいのが、「自社にとって重要な層ほど深く聞きたくなる」という設計者側のバイアスです。有望リードのルートだけ設問が倍になっていないか、設計シートを俯瞰して確認してください。

目安として、最短ルートと最長ルートの設問数の差は2倍以内に収めることをおすすめします。

コツ8:設問文に「なぜ聞くのか」を一言添える

分岐アンケートでは、回答者は自分がどのルートにいるかを知りません。突然踏み込んだ質問が出てくると、警戒されて離脱につながります。

「より適した情報をご案内するためにお伺いします」「該当する方のみお答えください」といった一文を添えるだけで、回答率は変わります。特に、年収・企業規模・連絡先といったセンシティブな設問の直前には必須と考えてください。

また、冒頭に「ご回答内容によって、お伺いする質問が変わります」と明記しておくと、人によって設問が違うことへの違和感を先回りして解消できます。

コツ9:個人情報の取得は最後にまとめる

氏名・会社名・メールアドレスといった個人情報は、アンケートの最後にまとめて配置するのが原則です。冒頭に置くと、内容を見る前に「営業されるのでは」と警戒され、開始率そのものが落ちます。

逆に、いくつか設問に答えた後であれば、回答者には「ここまで答えたのだから」という一貫性の心理が働き、入力してもらいやすくなります。

取得する項目は必要最小限に絞り、利用目的とプライバシーポリシーへのリンクを同じ画面に明示することが、信頼を損なわない条件です。

コツ10:終了画面もルートごとに出し分ける

見落とされがちですが、完了後の画面こそが次のアクションにつなげる最大のチャンスです。分岐機能を使えば、終了画面もルートごとに変えられます。

検討中の層には資料ダウンロードや無料トライアルへの導線を、導入済みの層にはサポート窓口や活用ガイドを、対象外だった層には丁寧なお礼メッセージを表示する。この出し分けだけで、アンケートが「調査」から「獲得施策」に変わります。

診断コンテンツ形式にする場合は、終了画面をそのまま診断結果ページとして設計すると、シェアされやすいコンテンツになります。

コツ11:インセンティブは「所要時間の明示」とセットにする

回答率を上げる施策としてインセンティブ(謝礼)は有効ですが、単独で提示するよりも「所要時間の明示」とセットにするほうが効果が高い傾向があります。

「デジタルギフト500円分プレゼント」だけでなく、「所要時間は約2分。ご回答いただいた方全員にデジタルギフト500円分」と伝えることで、回答者は労力と対価を比較して判断できます。

分岐アンケートの場合、所要時間は最長ルートを基準に伝えるのが誠実です。「2分」と書いて5分かかると、途中離脱を招くだけでなく、次回以降の回答率も下げます。

コツ12:ABテストで分岐パターンを比較検証する

分岐設計に唯一の正解はありません。2パターンを用意して比較検証するのが、確実に精度を上げる方法です。

検証する変数は1回につき1つに絞ります。「分岐の起点をQ1に置くかQ2に置くか」「ルートを3本にするか5本にするか」「進捗バーを出すか出さないか」といった単位です。複数を同時に変えると、何が効いたのか分からなくなります。

比較する指標は「完了率」と「有効回答率」の2つを必ず見てください。完了率だけを追うと、設問を削りすぎて分析に使えないデータが増える方向に最適化されてしまいます。各パターン最低100件程度が集まってから判断するのが目安です。

▼回答率とデータ品質を両立させたい方はこちら
👉 Interviewzのデジタルギフト付きアンケート資料

分岐アンケートの集計・分析方法|分母のズレを防ぐ実務

分岐アンケートで最も見落とされているのが、集計フェーズの設計です。ここを事前に考えておかないと、せっかく集めたデータが「読めない集計表」になります。

設問ごとに分母が変わる問題への対処|ベース(n数)を必ず明記する

分岐アンケートでは、設問ごとに「その設問に到達した人数」が異なります。全体回答者が500名でも、批判者ルートの設問に答えたのは80名、というのが普通です。

このとき、80名中40名が「価格に不満」と答えたのを「全体の8%」と表記するのか「批判者の50%」と表記するのかで、意味がまったく変わります。集計表には必ず「n=80(批判者のみ)」のようにベースを明記してください。

報告書でこのベース表記が抜けていると、経営層が誤った意思決定をするリスクがあります。分析担当者が最初に整備すべきルールです。

クロス集計で注意すべきn数の下限

分岐で分かれたセグメントをさらにクロス集計すると、各セルの件数が急速に少なくなります。「批判者×製造業×従業員300名以上」まで絞ると、該当が3件しかない、といった事態が起こります。

実務上の目安として、1セルあたり30件を下回る場合は構成比(%)で語らないのが安全です。3件中2件を「66.7%」と書いた瞬間に、その数字は独り歩きします。

件数が足りない場合は、セグメントを統合するか、定量的な比率ではなく自由記述の内容を定性的に紹介する形に切り替えてください。

「未回答」と「非該当」を明確に区別する

分岐アンケート特有の落とし穴が、空欄の意味が2種類あることです。1つは「設問は表示されたが答えなかった(未回答)」、もう1つは「分岐によりそもそも表示されなかった(非該当)」です。

この2つを同じ空欄として処理すると、集計が確実に狂います。エクスポート後のデータ加工では、非該当を「N/A」、未回答を「無回答」と別のコードで置き換えるルールを最初に決めておいてください。

Excelで処理する場合は、フィルタとIF関数で機械的に振り分けられるよう、ルート判定用の列を1つ追加しておくと作業が楽になります。

ルート別の離脱率を見て設計の弱点を特定する

分岐アンケートの改善は、「どのルートの、どの設問で離脱が起きているか」を見るところから始まります。全体の完了率だけを見ていても、原因は分かりません。

ルートごとに「そのルートに入った人数」と「完了した人数」を出し、完了率が明らかに低いルートを特定します。そのルートの設問数、設問文の分かりにくさ、センシティブな設問の位置を順に疑ってください。

多くの場合、犯人は「そのルートだけ設問が多い」か「答えにくい自由記述が早い段階にある」のどちらかです。

分析を速くするデータ設計のコツ

集計工数を減らすには、アンケート設計の段階で仕込んでおくことが効きます。設問IDを固定する、選択肢の並び順をルート間で統一する、スコアは数値で保持する、ルート判定フラグを隠し項目として持たせる——この4点を最初から設計に入れておくだけで、エクスポート後の加工時間が大幅に短縮されます。

特にルート判定フラグは重要です。回答データに「route=A」のような値が入っていれば、フィルタ1つでルート別集計ができます。多くのツールが隠しフィールドや非表示設問として対応しているので、実装時に必ず設定してください。

▼アンケート結果の分析手法を体系的に学びたい方はこちら
👉 アンケートの分析方法8選と分析の質を高める方法

アンケート分岐の実践事例5選

ここでは、目的別に分岐をどう組んだかを具体的なルート構成とともに紹介します。自社に近いケースを見つけて、設計の下敷きにしてください。

事例1:BtoB SaaSのリード獲得|検討段階で分岐し商談化率を高める

資料ダウンロードフォームに分岐を組み込んだケースです。Q1で「導入済み/比較検討中/情報収集段階」を聞き、3ルートに分けました。

比較検討中のルートでは「比較中のツール数」「重視する選定基準」「導入予定時期」を聞き、インサイドセールスが優先架電する対象を自動で判別できるようにしています。一方、情報収集段階のルートでは深追いせず、課題感だけを聞いてナーチャリング用のメール配信リストへ振り分けます。

全員に同じ12問を聞いていた頃と比べ、フォーム完了率と架電の優先順位付け精度が同時に改善しました。営業側から見ても「聞くべきことが既に埋まっている」状態で商談に入れるため、初回商談の質が上がります。

事例2:顧客満足度(NPS)調査|スコア分岐で解約予兆を検知する

NPSスコアで3ルートに分岐させたCS調査の事例です。批判者ルートには「不満を感じた具体的な場面」を選択式で用意し、その場で「担当者からの連絡を希望する」チェックを設置しました。

チェックが入った回答は自動でCSチームに通知され、24時間以内にフォローする運用にしています。不満の申告から接触までの時間を短縮できることが、解約防止において最も効く要素だからです。

推奨者ルートでは導入事例への協力可否を聞き、そのまま事例取材の候補リストとして活用しています。1本のアンケートが、解約防止と事例創出の両方を担う構造です。

事例3:採用前ヒアリング|職種別に分岐して面接の質を上げる

面接前に候補者へ送るヒアリングフォームに、職種分岐を組み込んだ事例です。エンジニア職には技術スタックと開発体制を、営業職には担当商材と実績を、それぞれ別ルートで聞きます。

全職種共通のフォームでは「その他」ばかりが並んで面接の準備に使えなかったものが、職種別の具体的な情報として集まるようになりました。面接官は事前に候補者の背景を把握した状態で臨めるため、限られた面接時間を深い相互理解に使えます。

候補者側にとっても、自分の専門領域について的確に聞かれることは「きちんと見てもらえている」というポジティブな印象につながります。

事例4:セミナー・イベント後アンケート|満足度×参加目的の2軸分岐

イベント後アンケートで、「満足度」と「参加目的」の2軸で分岐させた事例です。満足度が高く、かつ参加目的が「導入検討」だった層にのみ、個別相談会の案内を表示します。

満足度が低かった層には改善点を深掘りし、参加目的が「情報収集」だった層には次回イベントの案内を出します。終了画面をルートごとに出し分けることで、1回のアンケートが次のアクションへの導線として機能します。

イベント直後は熱量が最も高いタイミングです。その瞬間に適切な導線を出せるかどうかで、その後の商談化率が変わります。

事例5:人材派遣の定着支援|勤務状況で分岐しフォロー対象を絞る

派遣スタッフへの定期サーベイに分岐を組み込んだ事例です。「現在の就業状況」と「継続意向」の組み合わせで分岐させ、離職リスクが高いと判定された層にのみ、詳細なヒアリング設問と面談希望の確認を表示します。

全員に長いサーベイを送ると回答率が下がりますが、分岐を使えば「大半のスタッフには3問で終わり、リスクのある層にだけ深く聞く」という設計が可能になります。

限られたフォロー工数を、本当に必要な人に集中投下できるのが、この設計の価値です。

▼実際のヒアリング・診断の設計例を見たい方はこちら
👉 ヒアリング&診断コンテンツの実例集


👉 派遣者様定着率向上。対面ヒアリングを自動化する方法

アンケート分岐の課題解決にはInterviewz(インタビューズ)がおすすめ!

ここまで解説してきたとおり、分岐アンケートの難所は「設計」と「集計」に集中しています。ツールの設定操作そのものは、慣れれば数十分で終わる作業です。

Interviewzは、この設計と集計の負担を減らすことに特化したノーコードのヒアリング・アンケートDXツールです。ここでは、分岐アンケートの運用においてInterviewzが向いている理由を5つに分けて説明します。

理由1:ノーコードで複雑な分岐を組める

Interviewzでは、単一回答分岐・複数条件分岐・スコア分岐のすべてを、コードを書かずに設定できます。分岐条件は画面上で「この回答なら、この設問へ」と指定するだけで、エンジニアの手を借りる必要がありません。

ドラッグ&ドロップで設問の順序と分岐を編集できる

設問の並び替えや分岐先の変更を、画面上の操作だけで完結できます。ABテストで分岐パターンを差し替える際も、フォームを作り直す必要がありません。「試して直す」のサイクルを速く回せることが、分岐設計の精度を上げる最大の要因です。

チャット型UIで分岐が自然な会話に見える

Interviewzは、チャットのように1問ずつ対話形式で進むUIに対応しています。この形式では、分岐によって次の質問が変わることが「会話が自然に展開している」ように見え、回答者に違和感を与えません。従来のフォーム型で起きがちな「ページが切り替わって面倒」という感覚を抑えられます。

スマートフォンでの表示を前提に設計されている

回答の大半がスマホから来る前提で、選択肢のタップしやすさや1画面あたりの情報量が最適化されています。実機での見え方を都度確認する手間が減ります。

理由2:設計テンプレートで「何を聞くか」の迷いを減らせる

ゼロから設問を考えるのは、分岐設計で最も時間がかかる工程です。InterviewzではBtoBリード獲得、顧客満足度、採用、Web制作ヒアリングなど、目的別のテンプレートが用意されており、分岐の型ごと流用できます

テンプレートをベースに自社の言葉へ差し替えるだけなら、初回の設計工数を大幅に短縮できます。設計に慣れていない担当者でも、いきなり実務レベルの構成から始められる点が大きな違いです。

理由3:ルート別の集計・分析が標準機能で完結する

前章で解説した「分母のズレ」の問題は、ツール側でルート別集計に対応しているかどうかで作業量が変わります。Interviewzはダッシュボード上でルート別・セグメント別の集計を確認でき、Excelへエクスポートしてから加工する工程を大幅に減らせます。

回答データは一元管理されるため、「フォームAの結果はスプレッドシート、フォームBはツール内」といった分散も起きません。

理由4:対面・オンラインの両方で同じフォームを使える

Interviewzは、Webフォームとしての配信だけでなく、対面ヒアリングの入力画面としても利用できます。営業担当が商談中にタブレットで入力する、面談中に担当者が聞き取りながら入力する、といった使い方が可能です。

同じ分岐設計を対面とオンラインで共用できるため、チャネルが違ってもデータの形式が揃い、そのまま統合して分析できます。対面ヒアリングの結果を後からExcelに転記する作業が不要になる点も、現場の負担軽減につながります。

理由5:MA・CRMとの連携で分岐結果をそのまま施策に流せる

分岐設計はセグメント設計そのものだと前述しました。InterviewzはHubSpotをはじめとする外部ツールとの連携に対応しており、回答結果とルート判定をそのまま顧客データベースへ渡せます。

「比較検討中ルートを通った人にだけ、翌日フォローメールを送る」といった運用が、手作業なしで実現できます。アンケートを「取って終わり」にせず、施策の起点にできることが、ツールを選ぶうえで最も重視すべき観点です。

▼まずはサービスの全体像を知りたい方はこちら
👉 インタビューズサービス概要資料

▼実際の分岐フォームの動きを体験したい方はこちら
👉 インタビューズ無料ヒアリングデモ

アンケート分岐に関するよくある質問(FAQ)

Q1.Googleフォームで分岐が動作しないのはなぜですか?

A. 原因の大半は2つの設定漏れです。1つ目は起点設問の「︙」メニューで「回答に応じてセクションに移動」がオンになっていないこと。2つ目は各セクション末尾の遷移先が「次のセクションに進む」のままになっていることです。

また、Googleフォームの分岐はラジオボタンとプルダウンでのみ機能します。チェックボックスや記述式を起点にしている場合は、そもそも設定項目が表示されません。分岐は「次へ」を押した時点で発動するため、同一画面での即時切り替えもできない点にご注意ください。

Q2.分岐は何階層まで作ってよいですか?

A. 3階層までを推奨します。それ以上になると、テストすべきパターンが十数通りを超え、実装ミスの検出が困難になります。

より実務的な判断基準は「回収数」です。想定回答数をルート数で割り、1ルートあたり30件を下回るなら階層を減らしてください。分析に使えない粒度まで細かく分けても、設計と集計の手間が増えるだけです。

Q3.複数選択(チェックボックス)の回答で分岐させることはできますか?

A. 多くのツールでは、複数選択を分岐の起点にできません。複数の選択肢が同時に選ばれた場合、どのルートへ進めるべきか一意に決まらないためです。

回避策として、複数選択の直後に「その中で最も重視するものを1つ選んでください」という単一選択の設問を追加し、そちらを分岐の起点にする方法が一般的です。SurveyMonkeyやTypeformなどの上位ツールでは、複数条件を組み合わせた高度な分岐に対応している場合もあります。

Q4.分岐アンケートは回答率がどのくらい変わりますか?

A. 効果は元の設計次第で大きく変わるため、一律の数値は保証できません。ただし、設問数が多く、対象者が複数層にまたがるアンケートほど改善幅は大きくなります

目安として、20問以上あり半数の設問が一部の層にしか関係しないアンケートであれば、分岐導入で回答所要時間を3〜5割短縮できるケースが多く、それに伴って完了率も改善する傾向があります。正確な効果を知るには、自社でABテストを行い、完了率と有効回答率の2軸で比較するのが確実です。

Q5.分岐したアンケートの集計はどうすればよいですか?

A. ポイントは3つです。1つ目は、設問ごとにベース(n数)を必ず明記すること。2つ目は、「未回答」と「分岐による非該当」を別のコードで区別すること。3つ目は、1セル30件を下回るクロス集計では構成比を使わないことです。

設計段階でルート判定用の隠しフィールドを持たせておくと、エクスポート後にフィルタ1つでルート別集計ができるようになります。

Q6.無料で分岐アンケートを作れるツールはありますか?

A. Googleフォームは無料でセクション分岐に対応しており、社内アンケートや簡易調査であれば十分に実用的です。Microsoft 365を導入済みであれば、Microsoft Formsも追加費用なしで使えます。

ただし、複数条件分岐・スコア分岐・ルート別の集計・外部ツール連携といった要件が加わると、無料ツールでは対応しきれません。「無料で始めて、要件が明確になったら有料ツールへ移行する」という進め方が現実的です。

Q7.分岐アンケートと診断コンテンツはどう違いますか?

A. 技術的にはほぼ同じ仕組みで、スコア分岐と終了画面の出し分けを組み合わせたものが診断コンテンツです。違いは目的にあります。

アンケートは企業側がデータを集めることが主目的ですが、診断コンテンツは回答者が結果を得ることを主目的として設計されます。そのため診断コンテンツでは、結果ページの魅力度と、シェアしたくなる設計が重視されます。リード獲得を狙うなら、分岐アンケートを診断コンテンツ形式に寄せるのが有効な打ち手です。

▼診断コンテンツの作り方を知りたい方はこちら
👉 5ステップでできる診断コンテンツの作り方


👉 0からわかる診断コンテンツ作成ガイド

あわせて読みたい関連記事

アンケート設計・作成(直接的な関連)

アンケートツール比較・選び方

ヒアリング・営業活用

分析・調査レポート

顧客満足度・CX

回答率向上・インセンティブ

診断コンテンツ・ナーチャリング

情報収集・周辺ツール

まとめ|アンケート分岐は「設計7割・実装3割」

アンケート分岐は、ツールの設定操作そのものは難しくありません。成果を分けるのは、ツールを触る前の設計と、集めた後の集計ルールです。

本記事の要点を整理します。

  • 分岐は7種類あり、まずは単一回答分岐だけで組めないかを検討する
  • ルート数は3〜5、階層は3層まで。1ルート30件を下回るなら統合する
  • 分岐の起点は必ず単一選択で作り、選択肢はMECEにする
  • 共通設問はルートの前後に配置し、ルート間の比較を可能にする
  • 集計ではベース(n数)を必ず明記し、「未回答」と「非該当」を区別する
  • 終了画面もルート別に出し分けることで、調査を獲得施策に変える
  • ABテストは変数を1つに絞り、完了率と有効回答率の2軸で判断する

次のアクションとして、まずは「調査目的を1文で書き出し、回答者セグメントを3〜5に分ける」ところから始めてください。ここさえ決まれば、設問の仕分けと分岐条件の設計は機械的に進みます。

設計シートの型やテンプレートが必要な場合は、以下の資料をご活用ください。

▼サービスの全体像を確認したい方はこちら
👉 インタビューズサービス概要資料

▼まずは無料で試してみたい方はこちら
👉 無料トライアル資料&お申し込み

▼テンプレートや設計ガイドをまとめて入手したい方はこちら
👉 インタビューズお役立ち資料一覧


👉 ヒアリングシートテンプレート集

▼自社に合う設計を相談したい方はこちら
👉 インタビューズお問い合わせフォーム

Interviewz(インタビューズ)では、ヒアリング体験をDX化し、質の高い情報をスピーディーに収集、顧客・ユーザー理解を深め、サービスのあらゆるKPIの改善を可能にします。テキストタイピングを最小化した簡単かつわかりやすいUI/UXと、収集した声をノーコードで様々なシステムに連携し、ユーザーの声を様々なビジネスプロセスで活用することで、よりビジネスを加速させることが可能です。

Interviewz(インタビューズ)をご活用いただくことで以下のことが解決できます。

• 新規お問い合わせ、相談数の向上
• ヒアリングの内容の最適化から受注率の向上
• ヒアリングコスト(人件費・タイムコスト)の削減
• 既存顧客のお問い合わせのセルフ解決(サポートコストの削減)
• サービス/プロダクトのマーケティングリサーチ
• 既存顧客、従業員のエンゲージメント向上
• データ登録負荷の軽減
• サイトにおけるユーザーの行動情報のデータ蓄積

Interviewzをご利用いただいた多くのお客様で、ビジネスによけるあらゆるKPIの数値改善を可能にしています。

▼Interviewz(インタビューズ)の主な活用方法

• 総合ヒアリングツール
• チャットボット
• アンケートツール
• カスタマーサポートツール
• 社内FAQツール



Interviewzの機能一覧|総合的なヒアリング活動を網羅


Interviewzでは、下記のような総合的なヒアリング活動を支援する機能を揃えております。

以下では、まずはInterviewz(インタビューズ)を使って操作性や機能を確かめたい方向けに、無料でInterviewzをデモ体験いただくことが可能です。気になる方はぜひご体験ください。

ヒアリングDX・アンケートのデジタル化のご相談は下記より日程をご調整ください。

こちらの記事もオススメです

人気記事ランキング

お役立ち資料

カテゴリー

お気軽にご相談ください!