コンジョイント分析とは?目的やメリット、アンケート調査の事例も解説
- 2024/05/17
- 2026/01/23
目次
コンジョイント分析とは、消費者の選択行動を理解するための強力なツールのことです。コンジョイント分析を行うことで、製品やサービスのどの特徴が購入決定に最も影響を与えるのかや、その重要度を定量的に把握することができます。
しかし、この分析を行うためには、適切なアンケートの設計が不可欠です。アンケートの設計が不適切だと、分析結果が歪んでしまい、正確な消費者の声を聞くことができなくなってしまう可能性があります。
そこで今回は、コンジョイント分析の目的やメリット、アンケート調査の事例も解説します。自社のマーケティング戦略の構築を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
コンジョイント分析とは?概要を解説
コンジョイント分析とは、商品やサービスを構成する複数の要素(属性)を組み合わせたときに、ユーザーがどの要素をどれだけ重視して選択しているかを定量的に把握する分析手法です。
価格・機能・デザイン・ブランドなど、単体ではなく「組み合わせ」として提示する点が最大の特徴です。
一般的なアンケートでは「価格は重要ですか?」「デザインは大事ですか?」と個別に聞きがちですが、実際の購買行動はそう単純ではありません。
人は価格が高くても機能が良ければ選ぶ、機能が多少劣っても安ければ許容するといったトレードオフの判断をしています。
コンジョイント分析では、こうした現実に近い意思決定を再現するために、
価格:安い/普通/高い
機能:基本/高機能
サポート:なし/あり
といった複数属性を組み合わせた選択肢を提示し、「どれを選ぶか」を繰り返し回答してもらいます。
その結果から、
- どの属性が購買に最も影響しているか
- 価格を上げても許容される条件は何か
- 不要な機能や過剰品質はどこか
といった意思決定の裏側にある重み(効用値)を数値として抽出できます。
マーケティングや商品開発の現場では「感覚的に良さそう」ではなく、どこを強化し、どこを削るべきかをデータで判断するための分析手法として活用されるのがコンジョイント分析です。
コンジョイント分析を用いたアンケートの作成方法と具体事例

コンジョイント分析の概要がわかったところで、実際にコンジョイント分析を用いたアンケートの作成方法と具体的な事例について説明します。
例として、「消費者がテレビを購入する際に、どの要素をどの程度重視しているのか」を明らかにしたいケースを考えてみましょう。
まず最初に行うのは、購入判断に影響しそうな要素(属性)を分解することです。
この例では、次の3つを属性として設定します。
・価格:50,000円/70,000円
・画面サイズ:32インチ/40インチ
・4K対応:あり/なし
ここで重要なのは、「現実的な選択肢として成立する水準」を設定することです。極端すぎる条件や、実際には存在しない仕様を含めると、正しい判断データが得られません。
次に、これらの属性と水準を組み合わせて、複数のコンジョイントカード(比較用の選択肢)を作成します。1つのカードには、「価格・画面サイズ・4K対応」がすべて含まれた状態になります。
例えば、次のような組み合わせです。
・40インチ/4K対応あり/50,000円
・32インチ/4K対応なし/70,000円
アンケートでは、こうした選択肢を複数提示し、「どちらを選ぶか」「どちらがより魅力的か」といった形で評価してもらいます。
このように、実際の購買シーンに近い形で比較させることで、「価格は高いが性能が良いから選ぶ」「性能は劣るが安いから許容する」といった
消費者のトレードオフ判断をデータとして取得できます。
回答結果をもとに分析を行うと、各属性が購入意向に与えている影響の大きさ(効用値)を数値として算出できます。
この事例では、
・価格と画面サイズが購入判断に大きく影響している
・4K対応は、他の要素と比べると優先度が低い
という結果が得られました。
この結果からメーカーは、
・価格と画面サイズを重視した主力モデルを設計する
・4K対応は付加価値として上位モデルに限定する
といったように、感覚ではなくデータに基づいた商品開発やラインナップ設計が可能になります。
コンジョイント分析の強みは、「価格は重要ですか?」といった単純な質問ではなく、実際の選択行動に基づいて消費者の優先順位を定量化できる点にあります。
そのため、商品開発だけでなく、価格戦略、機能設計、訴求ポイントの整理など、市場ニーズに即した戦略立案に幅広く活用できる分析手法といえます。
ここまで見てきたように、コンジョイント分析などの定量分析は、ユーザーの選好や優先順位を把握するうえで有効な手法です。
一方で、こうした分析を正しく機能させるためには、そもそも「何を・どう聞くか」を事前に設計できているかが欠かせません。
分析や施策設計の精度は、ヒアリング段階でどれだけ適切な情報を引き出せるかで大きく左右されます。
そこで次に重要になるのが、実務で使えるヒアリングシートの設計です。
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コンジョイント分析の目的と基本的なやり方5ステップ

コンジョイント分析は、主に新しい商品やサービスの開発において、消費者のニーズを定量的に把握し、最適な商品構成を見つけるために使用されます。
コンジョイント分析の基本的なやり方は、以下のようなステップで進められます。
1.属性と水準を決定する
属性とは、製品やサービスを構成する要素のことで、水準はその属性が取り得る異なる状態やレベルです。
例えば、自動車の場合、属性には「価格」「燃費」「デザイン」があり、それぞれの水準には「高い/低い」「良い/悪い」「Aデザイナー/Bデザイナー」といった選択肢が考えられます。
2.コンジョイントカードを作成する
選定した属性と水準を組み合わせて、複数のコンジョイントカードを作成します。これらのカードは、消費者が評価するための異なる製品構成を表します。
3.アンケート調査を実施する
コンジョイントカードを用いてアンケート調査を行い、消費者にそれぞれのカードに対する評価をしてもらいます。評価方法には、順位付け、評点付け、ペア比較などがあります。
4.データ分析を行う
収集したデータを分析し、各属性の効用値を算出します。効用値は、その属性が消費者の選好にどの程度影響を与えるかを示す数値です。
5.結果を解釈する
効用値をもとに、消費者が最も重視する属性や、最適な製品構成を推測します。
コンジョイント分析を行うメリット|マーケティングに有効な理由
コンジョイント分析は、マーケティングにおいて非常に有効なツールです。そこで以下では、マーケティングにおけるコンジョイント分析の主なメリットを解説します。
1.複数の要素の優先順位付けができること
コンジョイント分析により、商品の魅力を決める複数の要素の中から特に重要なものに順位をつけることができます。
これにより、新商品の開発だけでなく、既存の商品の見直しにも役立ちます。
2.最適な組み合わせを特定できること
商品の魅力を決める要素の重要度だけでなく、最適な組み合わせも明らかになります。
実際の組み合わせを提示してアンケートを行うことで、どの組み合わせが最も好まれるかを知ることができます。
3.信頼性の高いデータを収集できること
コンジョイント分析は、通常のアンケート調査と比べて信頼性が高いデータを収集できます。なぜなら、実際の購買時の心理に近い状況で選択をしてもらうため、より具体的な消費者の行動を調査できるからです。
4.顧客のニーズや価値観を理解できること
製品やサービスの機能やメリットの優先順位付け、価格感応度を知るために利用できます。これにより、顧客のニーズや嗜好に関する基本的なインサイトを得ることが可能です。
5.トレードオフを考慮できること
コンジョイント分析は、同時には実現不可能なトレードオフ的要素(例えば低価格と高性能)も考慮した形での分析が可能です。これにより、最適な商品開発戦略を立案する際に有効です。
以上のようなメリットにより、コンジョイント分析はマーケティングにおいて非常に有効な手法とされています。
コンジョイント分析を効果的に活用することで、消費者の選好を定量的に把握し、市場のニーズに合った製品やサービスを提供するための戦略立案に役立てることが可能です。
コンジョイント分析で重要なアンケート設計のポイント6つ

コンジョイント分析におけるアンケート設計は、正確で信頼性の高いデータを収集するために非常に重要です。そこで以下では、アンケート設計の重要ポイントを解説します。
1.属性と水準の選定
分析の対象となる製品やサービスの特徴を表す属性を選び、それぞれの属性に対して選択可能な水準を設定します。属性は消費者の選択に影響を与えるものでなければならず、水準は現実的で実現可能なものである必要があります1。
2.直交表の利用
属性と水準の組み合わせが多くなりすぎないように、直交表を使用して効率的に組み合わせを選びます。これにより、回答者の負担を減らし、調査のコストを抑えることができます。
3.コンジョイントカードの作成
直交表に基づいて、異なる属性の水準の組み合わせを示すコンジョイントカードを作成します。これらのカードは、消費者が評価するための異なる製品構成を表します。
4.評価方法の選択
アンケートでは、順位付け、得点評価法、一対比較法、評定尺度法など、さまざまな評価方法を用いることができます。どの方法を選択するかは、調査の目的や対象者の特性によって決定されます。
5.サンプルサイズの決定
統計的に有意な結果を得るためには、適切なサンプルサイズが必要です。サンプルサイズは、属性の数、水準の数、予想される効果の大きさ、および誤差の許容度に基づいて決定されます。
6.プリテストの実施
本調査を行う前にプリテストを実施し、アンケートの理解度や回答者の反応を確認します。これにより、アンケートの質問や指示が明確であることを保証し、本調査でのデータの質を高めることができます。
コンジョイント分析の注意点3つ
コンジョイント分析は有効な分析手法ですが、設計や使い方を誤ると、見た目上はそれらしい結果が出ても実務では使えない分析になってしまいます。
ここでは、実務で特に失敗しやすい注意点を3つに絞って解説します。
1. 属性・水準の設計が不適切だと結果が歪む
コンジョイント分析の精度は、最初に設定する「属性」と「水準」で大きく左右されます。実際には購入判断に影響しない要素を含めてしまったり、現実的でない価格や仕様を設定したり、水準の幅が狭すぎて差が出ない場合、分析結果は実態を正しく反映しません。
重要なのは「実際に比較されうる選択肢か」という視点で設計することです。事前のヒアリングや簡易調査で候補を絞り込んでおくと、分析の精度が高まります。
2. 属性を増やしすぎると回答の質が下がる
多くの情報を得ようとして属性を増やしすぎると、かえって分析精度は下がります。回答者の負荷が高まり、直感的に選べなくなったり、適当に回答されるリスクが高まるためです。
実務では属性は3〜5個程度に抑え、「本当に意思決定に影響している要素は何か」を優先順位付けして設計することが重要です。
3. 結果をそのまま鵜呑みにしない
コンジョイント分析の結果は、あくまで設定した条件内での相対評価です。調査対象の偏りや前提条件のズレ、調査時点のトレンドなどの影響を受ける可能性があります。
そのため、結果をそのまま戦略に反映するのではなく、定性調査や既存データと照らし合わせて解釈し、「なぜその結果になったのか」を考察する視点が欠かせません。
コンジョイント分析は、正しく設計・解釈すれば強力な意思決定ツールになりますが、事前設計と結果の読み解きまで含めて運用することが重要です。
コンジョイント分析のデータから読み取れる重要な要素

コンジョイント分析の結果を解釈する際には、以下のポイントを把握することが重要です。
部分効用値(Part-Worth Utility)
部分効用値とは、各属性の水準が消費者の選好にどの程度影響を与えるかを示す数値です。
部分効用値が高いほど、その水準は消費者にとって魅力的であり、選好度が高いことを意味します。
逆に、部分効用値が低い場合は、その水準が消費者にとってあまり魅力的でないことを示します。
重要度(Importance)
重要度とは、各属性が消費者の選択にどれだけ影響を与えるかを示す指標です。
重要度が高い属性は、消費者の選好に大きな影響を与えることを意味し、マーケティング戦略において優先的に考慮すべき点です。
全体効用値(Overall Utility)
全体効用値とは、属性の水準の組み合わせ全体が消費者に与える効用の合計値です。
全体効用値が高い製品構成は、消費者にとって魅力的であり、市場での成功が期待されます。
相関係数(Correlation Coefficient)
相関係数とは、実際の選好データとモデルによる予測値との間の相関を示すものです。
相関係数が高いほど、モデルの予測精度が高いと評価されます。
決定係数(Coefficient of Determination)
決定係数とは、モデルの予測がどれだけ実際のデータを説明しているかを示す指標です。
決定係数が高いほど、モデルによる予測が実際のデータに適合していることを意味します。
これらの指標を分析することで、具体的な製品やサービスごとの最適な製品構成や価格設定、プロモーション戦略を決定するための重要な情報を得ることが可能です。
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コンジョイント分析の顧客情報収集にインタビューズのヒアリングツールがおすすめな理由5つ
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1.高品質な情報収集が可能だから
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2.顧客理解を深化できるから
収集した情報をもとに、顧客やユーザーの理解を深め、サービスの様々なKPIの改善に寄与します。
3.効率的に情報を収集できるから
直交表を用いた実験計画を立て、効率的に属性と水準の組み合わせを抽出し、少ないプロファイルで分析を行うことが可能です。
4.高いセキュリティを確保できるから
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