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デプスインタビューとは?メリットとやり方7ステップ・成功事例5選を徹底解説

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デプスインタビューとは、1対1・60〜90分の対話で対象者の深層心理まで掘り下げる定性調査手法です。定量アンケートでは決して見えない「なぜその商品を選んだのか」という意思決定の背景を、本人も言語化できていないレベルまで引き出せます。

一方で「何人に聞けばいいのか」「どんな質問をすればインサイトが出るのか」「集めた発話をどう分析するのか」が分からず、実施をためらう企業も少なくありません。

本記事では、デプスインタビューの定義・他手法との違いから、そのまま使える質問項目テンプレート、実施7ステップ、成功のコツ8選、分析手法、業種別の成功事例5選までを体系的に解説します。読み終える頃には、自社で明日から実施計画を組める状態になります。

この記事の監修・運営情報 

運営企業:ラーナーズ株式会社 Interviewz(インタビューズ)/ヒアリングDXブログ編集部

監修:Interviewz プロダクトチーム(ヒアリング・診断コンテンツ設計の支援実績をもとに監修)

専門領域:BtoB/BtoCのヒアリング設計、アンケートUX、診断コンテンツによるCVR改善

デプスインタビューとは?1対1で本音を引き出す定性調査手法

まずはデプスインタビューの基本を押さえます。用語の定義、注目される背景、得られる「インサイト」の正体、標準的な実施スペックの4点を順に整理します。

デプスインタビューの定義と語源

デプスインタビュー(Depth Interview/In-depth Interview、略称:DI)とは、インタビュアーと対象者が1対1で向き合い、60〜90分程度かけて対象者の行動・感情・価値観を段階的に掘り下げていく定性調査手法です。「デプス(depth=深さ)」という名前のとおり、回答の表層ではなく「その回答が生まれた背景」を目的地にしています。

一般的なアンケートが「何を選んだか(What)」を集めるのに対し、デプスインタビューは「なぜそれを選んだのか(Why)」と「そのときどう感じたのか(How)」を集める点が決定的に異なります。

また、単なる雑談や商談ヒアリングとも別物です。デプスインタビューには必ず調査目的とリサーチクエスチョン、そして検証すべき仮説が存在し、設計されたインタビューフローに沿って計画的に深掘りしていくという構造があります。この「設計されている」という点が、成果の再現性を生む土台になります。

デプスインタビューが今あらためて注目される3つの背景

デプスインタビュー自体は古くからある手法ですが、ここ数年で再評価が進んでいます。その理由は大きく3つに整理できます。

背景1:顕在ニーズが飽和し、差別化の余地が潜在領域にしかない

多くの市場で機能面の差が縮まり、「あったら便利」レベルの改善では選ばれなくなりました。消費者自身が言語化できていない不満や、無意識に諦めている不便さにしか、新しい価値の余地が残っていないケースが増えています。デプスインタビューは、この言語化されていない領域に到達できる数少ない手法です。

背景2:オンライン化で実施ハードルとコストが大幅に下がった

従来のデプスインタビューは、会場を押さえ、対象者に来場してもらう必要がありました。オンライン会議ツールが標準化したことで、会場費・移動費が不要になり、地方や海外の対象者にもアクセスできるようになっています。録画・自動文字起こしも容易になり、分析の負荷も下がりました。

背景3:定量データだけでは「なぜ」に答えられない

アクセス解析やCRMのデータが増えるほど、「離脱率が高い」「解約が増えた」という事実は分かっても、その原因を説明できないという壁にぶつかります。定量で発見した異常値の理由を特定する手段として、デプスインタビューを組み合わせる企業が増えています。

デプスインタビューで得られる「インサイト」とは何か

インサイトは「顧客の要望」ではありません。顧客自身が自覚していない、行動を左右している本音や価値観のことを指します。「もっと安くしてほしい」は要望ですが、「価格が高いと社内で説明できず、稟議が通らないのが怖い」まで降りるとインサイトになります。

この違いが重要なのは、打ち手がまったく変わるからです。前者への回答は値下げですが、後者への回答は「稟議用の説明資料テンプレートを提供する」という、利益率を落とさない施策になります。デプスインタビューの価値は、この打ち手の質を変える点にあります。

デプスインタビューの基本スペック(人数・時間・費用の目安)

初めて実施する場合の標準的なスペックは以下のとおりです。対象者は5〜10名、1件あたり60〜90分、総額30万〜100万円程度が一つの目安になります。

ただしこれは調査会社にフルで依頼した場合の相場です。自社の既存顧客に協力を依頼し、オンラインで自社実施すれば、謝礼と工数だけで実質10万円以下に抑えることも可能です。詳しい内訳は費用相場のセクションで解説します。

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デプスインタビューと他の調査手法の違い【一覧比較表】

デプスインタビューを選ぶべきかどうかは、他手法との比較で判断するのが最短です。主要6手法を、人数・時間・費用・得意領域で横並びに整理しました。

調査手法 形式 対象人数の目安 所要時間 費用感(総額目安) 得意なこと 苦手なこと 向いている場面
デプスインタビュー 1対1/対面・オンライン 5〜10名 60〜90分/人 30万〜100万円 深層心理・意思決定プロセスの解明 統計的な代表性の担保 新規事業の仮説構築、解約要因の特定
グループインタビュー(FGI) 1対6〜8名/座談会 6〜8名×2〜3グループ 90〜120分/回 50万〜150万円 多様な意見の同時収集、相互作用による発想 同調圧力、個人の深掘り コンセプト評価、アイデアの反応確認
定量アンケート(Web調査) 非対面/一斉配信 200〜1,000名以上 5〜10分/人 10万〜50万円 傾向の数値化、仮説の検証 「なぜ」の解明、想定外の発見 市場規模推定、満足度スコアの定点観測
ユーザビリティテスト 1対1/操作観察 5〜8名 45〜60分/人 20万〜60万円 UI上のつまずき箇所の特定 購買動機や価値観の理解 サイト改修、アプリのUX改善
行動観察(エスノグラフィ) 現場同行・観察 3〜6名 半日〜数日 50万〜200万円 本人が語らない無意識の行動把握 コスト・期間の重さ 生活文脈に根ざした商品開発
オンラインヒアリングツール 非対面/チャット・フォーム 数十〜数千名 3〜10分/人 月額数万円〜 低コストで継続的に声を集める 臨機応変な深掘り 事前スクリーニング、継続的な声の蓄積

グループインタビュー(FGI)との違い

両者の最大の違いは「他者の存在があるかどうか」です。グループインタビューでは参加者同士の発言が刺激となり、単独では出てこなかったアイデアが生まれるという利点があります。

一方で、声の大きい参加者に意見が引きずられる同調バイアスが働きやすく、「本当は使っていないが、皆が褒めているので合わせる」といった発言が混ざります。年収・健康・家庭の悩みといったテーマでは、そもそも本音が出ません。

個人の深い動機を知りたいならデプスインタビュー、多様な反応を短時間で集めたいならグループインタビューという使い分けが基本です。両者を組み合わせ、FGIで論点を洗い出してからDIで掘り下げる設計も有効です。

定量アンケートとの違い

定量アンケートは「すでに分かっている選択肢の中で、どれがどれくらい多いか」を測る手法です。選択肢を作る時点で、調査者の仮説の外側は測定できません。

デプスインタビューは逆に、選択肢そのものを発見するために使います。したがって理想的な順序は「デプスインタビューで仮説と選択肢をつくる → 定量アンケートでその分布を検証する」です。この順序を逆にすると、的外れな選択肢のアンケートに予算を使うことになります。

ユーザビリティテスト・行動観察との違い

ユーザビリティテストは「操作できるか」を見る手法で、対象は画面や製品です。デプスインタビューは「そもそもなぜ使おうと思ったのか」という、製品に触れる前の心理を対象にします。

行動観察は、本人が語れない無意識の習慣を捉えるのに優れますが、コストと期間が最も重い手法です。デプスインタビューは、行動観察ほどの投資をせずに、語りを通じて生活文脈へ近づける中間的な選択肢と位置づけられます。

どの手法を選ぶべきかの判断基準

迷った場合は、次の3つの問いで判断してください。

  • 知りたいのは「割合」か「理由」か:割合なら定量、理由ならデプスインタビュー
  • 仮説はすでにあるか:仮説がない・壊れている状態ならデプスインタビューが先
  • テーマはセンシティブか:他人に聞かれたくない話ならデプスインタビュー一択

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デプスインタビューを実施するメリット7つ

デプスインタビューの価値は「深く聞ける」という一言では説明しきれません。実務上のメリットを7つに分解し、それぞれがどの業務課題に効くのかを具体的に解説します。

メリット1:本人も自覚していない深層心理を掘り起こせる

人は自分の行動理由の大半を正確に説明できません。「なんとなく」「昔から使っているから」という回答の裏には、必ず具体的な体験や感情が存在します。デプスインタビューでは、60分以上かけて時間軸を遡り、具体的な出来事を思い出してもらうことで、この無意識の理由に到達します。

たとえば「価格で選んだ」と答えた顧客に購入当時の状況を細かく再現してもらうと、実際には「上司にすぐ説明できる資料があった安心感」が決め手だったと判明することがあります。この差は、次の施策が値下げになるか、営業資料の改善になるかを分ける決定的な情報です。

メリット2:意思決定プロセスを時系列で再現できる

デプスインタビューは、認知から検討、比較、決裁、導入、定着までの流れを一人の頭の中で連続したストーリーとして再現できる唯一に近い手法です。アンケートでは各段階がバラバラの設問になり、つながりが失われます。

この時系列情報は、そのままカスタマージャーニーマップの一次データになります。「どの段階で誰が関与し、どんな情報が不足していたか」が分かれば、コンテンツ配置やナーチャリング施策の優先順位を根拠を持って決められます。

メリット3:センシティブなテーマでも深く扱える

収入、健康、家族関係、社内政治、失敗経験といったテーマは、集団の場ではまず語られません。1対1で信頼関係を築ける環境だからこそ、他人には見せない本音を安全に共有してもらえるのがデプスインタビューの強みです。

医療・ヘルスケア、金融、人材、BtoBの社内課題といった領域では、この特性がほぼ必須条件になります。競合が踏み込めない情報を得られるため、そのまま差別化の源泉になりやすい点も見逃せません。

メリット4:場の空気に左右されない一次情報が得られる

グループ形式では、最初の発言者の意見に全体が引きずられる現象が頻繁に起こります。デプスインタビューにはこの同調バイアスが構造的に存在しません

結果として、5名に聞けば5通りの異なる意思決定パターンが浮かび上がり、顧客セグメントの実態に近い解像度が得られます。「多数派の意見」ではなく「複数の類型」を掴めることが、ターゲティング精度の向上につながります。

メリット5:臨機応変に仮説検証のサイクルをその場で回せる

デプスインタビューでは、想定外の発言が出た瞬間に質問を切り替えられます。「今の話をもう少し詳しく教えてください」の一言で、その場で新しい仮説の検証が始められるのは、定量調査には絶対にない機動力です。

実務では、3人目までで当初の仮説が崩れることも珍しくありません。その場合は4人目以降のインタビューフローを差し替え、新仮説の検証に充てます。1回の調査プロジェクトの中で仮説を更新できるため、少ないサンプル数でも学習効率が高くなります。

メリット6:非言語情報から発言と本音のギャップを検知できる

表情、間、声のトーン、視線の動きは、発言内容と同じくらい情報量があります。「満足しています」と言いながら数秒沈黙した瞬間は、ほぼ確実に語られていない不満が存在するサインです。

オンライン実施でも表情と間は十分に観察できます。この非言語情報は録画で見返せるため、複数人で解釈をすり合わせることで分析の妥当性が高まります

メリット7:少人数・短期間で意思決定に足る示唆が出る

定量調査は数百サンプルを集めるのに数週間かかりますが、デプスインタビューは5名・実質3〜4日でも十分な示唆が得られます。定性調査では5〜6名で主要な論点の8割程度が出尽くすとされ、投資対効果が高い設計が可能です。

スピードが求められる新規事業やプロダクト改善の現場では、「完璧な統計」より「今週意思決定できる根拠」のほうが価値を持ちます。この点でデプスインタビューは実務との相性が良い手法です。

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デプスインタビューのデメリット4つと対策

メリットだけを見て始めると、必ずどこかでつまずきます。実施前に把握しておくべき4つの弱点と、その具体的な回避策を整理します。

デメリット1:時間とコストの負担が大きい

10名×90分のインタビューは、実施だけで15時間。これに対象者のリクルーティング、フロー設計、逐語録作成、分析を加えると、1プロジェクトで50〜80時間規模の工数になります。調査会社に依頼すれば30万〜100万円が必要です。

対策:事前アンケートで「聞かなくていいこと」を削る

属性、利用歴、利用頻度、満足度といった基礎情報は、事前にオンラインのヒアリングフォームで取得しておきます。本番の90分を丸ごと深掘りに使えるため、実質的な情報量が1.5倍程度に増えます。オンライン実施に切り替えれば会場費と移動費もゼロになります。

デメリット2:統計的な代表性がない

5名の発言は、そのままでは市場全体の傾向を表しません。「1人が言ったことを全体の声として扱う」のは最も典型的な失敗で、社内の意思決定を誤らせます。

対策:定量調査とセットで設計する

デプスインタビューで仮説と選択肢をつくり、その後に定量アンケートで分布を検証する「定性→定量」の二段構えを標準にします。逆に、定量で発見した異常値の理由を探るために定性を後置する設計も有効です。

デメリット3:インタビュアーのスキルに結果が大きく左右される

誘導質問、話の遮り、沈黙への耐性のなさは、いずれも情報の質を大きく下げます。同じ対象者でも、インタビュアーが違えば得られる情報はまったく変わります

対策:フローの型化と録画によるレビューを回す

質問の順序と深掘りの一手をあらかじめ文書化し、誰が実施しても一定水準に到達する状態を作ります。初回は必ず録画し、社内で発話の配分(インタビュアーが話した割合が20%以下か)をレビューすると、改善点が明確になります。

デメリット4:分析工数が重く、属人化しやすい

90分の音声から作る逐語録は約15,000字。10名分では15万字に達し、読むだけでも相当な時間がかかります。分析者の主観で切り取られると、「結論に都合のいい発言だけを拾う」という確証バイアスが入り込みます。

対策:切片化とコーディングの手順を固定する

発話を意味の単位で切り分け、ラベルを付け、複数人で分類する手順を決めておきます。手順が固定されていれば、担当者が変わっても再現性のある分析ができます。具体的な進め方は分析方法のセクションで解説します。

デプスインタビューの質問項目一覧表【そのまま使えるテンプレート】

デプスインタビューの成否は質問設計でほぼ決まります。フェーズ別に、目的・質問例・深掘りの一手をまとめた一覧表を用意しました。自社のテーマに置き換えてそのまま使えます。

フェーズ 目的 質問例 深掘りの一手 時間配分
①ウォームアップ 緊張をほぐし話しやすい場を作る 「今日はどちらから接続いただいていますか」「普段のお仕事の一日の流れを教えてください」 相手の言葉を繰り返して受け止める 5分
②属性・生活文脈 発言を解釈する前提情報を得る 「1週間のうち、この業務にどれくらい時間を使っていますか」 「具体的には何時から何時ですか」 10分
③課題認知 問題を意識した瞬間を特定する 「最初に『これは何とかしないと』と思ったのはいつですか」 「そのとき何が起きていましたか」 15分
④情報収集 接触チャネルと信頼源を把握する 「どうやって情報を探しましたか」「誰に相談しましたか」 「その情報のどこを信用しましたか」 10分
⑤比較検討 競合と評価軸を明らかにする 「他に候補に挙がったものはありますか」 「最終的に何が分かれ目でしたか」 15分
⑥意思決定 決裁プロセスと関与者を特定する 「決めるまでに誰の承認が必要でしたか」 「反対意見はどう説得しましたか」 10分
⑦利用実態 実際の使われ方とのズレを掴む 「直近で使った場面を、画面を見ながら教えてください」 「そのとき手が止まった箇所はありますか」 10分
⑧不満・離脱 解約・乗り換えの引き金を探る 「やめようかと一瞬でも思ったことはありますか」 「思いとどまった理由は何でしたか」 10分
⑨理想・価値観 本質的欲求まで降りる 「それが実現すると、あなたにとって何が良いのですか」 「それはなぜ大切なのですか」(3回繰り返す) 10分
⑩クロージング 言い残しを回収し関係を維持する 「聞き忘れていることで、伝えておきたいことはありますか」 感謝と結果共有の約束を伝える 5分

BtoBで使う質問例

BtoBでは意思決定に複数の関与者が存在するため、個人の好みより「社内をどう通したか」を掘ることが重要です。次のような質問が有効です。

  • 「この課題を最初に問題視したのは、部署内のどなたでしたか」
  • 「稟議を通すときに、一番説明が難しかった点は何でしたか」
  • 「導入後、社内で最初に使い始めたのは誰で、どう広がりましたか」
  • 「もし導入していなかったら、今ごろどうなっていたと思いますか」
  • 「更新の判断は、どんな基準で行われますか」

最後の「導入していなかったら」という反実仮想の質問は、提供価値を対象者自身の言葉で語ってもらえるため、そのまま訴求コピーの素材になります。

BtoCで使う質問例

BtoCでは生活文脈と感情が鍵です。購買行動は日常のルーティンに埋め込まれているため、その日一日の流れごと再現してもらいます。

  • 「最後に購入した日のことを、朝起きてからの流れで教えてください」
  • 「その商品を手に取ったとき、何を思いましたか」
  • 「家族や友人に話しましたか。どう話しましたか」
  • 「買わなかった別の候補について、何が引っかかりましたか」
  • 「もし明日から使えなくなったら、代わりに何をしますか」

避けるべきNG質問例と言い換え

次のような質問は、情報の質を著しく下げます。言い換え例をセットで覚えておくと、本番で自然に修正できます

  • 誘導質問:「使いやすいと感じましたよね?」→「使ってみて、どう感じましたか」
  • 仮定質問:「こんな機能があったら使いますか」→「今、その作業をどうやって処理していますか」
  • 二重質問:「価格と機能はどうでしたか」→ 一つずつ分けて聞く
  • クローズド質問の連発:「満足していますか」→「満足度を左右した出来事を教えてください」
  • 専門用語:「CVRの改善状況は」→「申し込みまで進む人の割合は変わりましたか」

特に危険なのは仮定質問です。人は「あったら使う」と答えても実際には使いません。必ず過去の実際の行動を尋ねてください。

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デプスインタビューのやり方7ステップ

ここからは実施の具体的な手順です。企画から報告までを7ステップに分解し、各段階の成果物と所要期間の目安を示します。この順序どおりに進めれば、初めてでも破綻しません。

STEP1:調査目的とリサーチクエスチョンを定義する(所要1〜2日)

最初に決めるのは「この調査が終わったとき、どんな意思決定ができる状態になっていたいか」です。目的が『顧客理解を深める』のような曖昧な表現のままだと、必ず失敗します

良い目的設定は「解約した顧客が、どの時点で何をきっかけに離脱を決めたのかを特定し、オンボーディング施策の改修箇所を3つに絞り込む」のように、調査後のアクションまで含めて記述されているものです。

そのうえで、目的を分解した3〜5個のリサーチクエスチョン(RQ)を作ります。RQは対象者に直接ぶつける質問ではなく、調査チームが答えを出すべき問いです。この区別が曖昧だと、質問設計が浅くなります。

STEP2:仮説を立て、検証項目に落とす(所要1日)

「おそらくこうではないか」という仮説を、事前に文章で書き出します。仮説がないと、聞くべきポイントが定まらず、対象者の話に流されるだけの雑談になります。

重要なのは、仮説は否定されるために立てるものだという認識です。「仮説が当たっていた」という結果は、実は情報量がゼロに近い。デプスインタビューの価値は、仮説が裏切られた瞬間に生まれます

仮説は「誰が」「どんな状況で」「何を感じ」「どう行動するか」の4要素で書くと、検証項目に落としやすくなります。

STEP3:対象者条件を決めてリクルーティングする(所要1〜3週間)

対象者の質が、そのまま調査の質になります。「ターゲット層」ではなく「調査目的に対して最も情報量を持つ人」を選ぶのが原則です。

解約要因を知りたいなら、優良顧客ではなく解約者に聞くべきですし、新規事業のニーズを探るなら、既存顧客より「課題は抱えているが、まだ何も導入していない人」のほうが示唆が出ます。

人数は5〜10名が標準です。ただしセグメントが複数ある場合は1セグメントあたり最低3〜5名を確保しないと、個人の特殊性とセグメントの特性を区別できません。リクルーティングは自社顧客リスト、調査会社のモニターパネル、SNS募集、既存顧客からの紹介の4経路が一般的です。

STEP4:インタビューフロー(ガイド)を設計する(所要2〜3日)

インタビューフローは、質問の一覧ではなく「時間配分つきの進行台本」です。前述の質問項目一覧表の10フェーズを土台に、自社テーマへ置き換えて作成します。

設計時のポイントは3つ。①答えやすい質問から始めて徐々に深い話へ移行する、②各質問に「深掘りの一手」を併記しておく、③想定所要時間の合計を予定時間の8割に収めることです。

8割に収める理由は、想定外の話題こそが最大の収穫だからです。台本を消化することが目的化した瞬間に、デプスインタビューの価値は失われます

STEP5:事前準備と環境設定を整える(所要1〜2日)

本番前に必ず済ませておくべき準備は次のとおりです。

  • 事前アンケートの実施:属性・利用歴・満足度などの基礎情報を取得し、本番を深掘りに集中させる
  • 録音・録画の同意取得:利用目的、保管期間、公開範囲を明記した同意書を事前に共有する
  • 謝礼の準備:デジタルギフトなら当日その場で送付でき、手続きが簡潔
  • 機材とネットワークの確認:オンラインなら接続テストを前日までに実施
  • 予行演習:社内メンバーを相手に1回通しでリハーサルを行う

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STEP6:本番インタビューを実施する(所要1〜2週間)

本番では、最初の5分で場の空気が決まります。「正解や不正解はありません」「批判的なご意見こそ大変ありがたいです」と明示的に伝えることで、対象者は建前を外しやすくなります。

進行中はインタビュアーの発話量を全体の20%以下に抑えることを意識してください。沈黙は、対象者が記憶を辿っている貴重な時間です。ここを埋めようとして次の質問を被せると、最も深い発言を取りこぼします。

また、1日に実施するのは最大3件までにしてください。集中力が落ちると深掘りが甘くなり、後半の対象者から得られる情報量が明確に減少します。

STEP7:記録・整理・分析・共有する(所要1〜2週間)

インタビュー直後、記憶が鮮明なうちに15分だけ「印象に残った発言と気づき」をメモします。この直後メモは、後の分析で解釈の手がかりとして大きな威力を発揮します。

その後、逐語録の作成、切片化、コーディング、グルーピングという手順で分析を進めます。詳細な手順は次章で解説します。最後に、意思決定者が5分で判断できる形式のレポートにまとめて共有すれば、1サイクルが完了します。

デプスインタビューを成功させる8つのコツ

手順どおりに進めても、聞き方が浅いと得られる情報は表層で止まります。現場で効果の大きい8つのコツを、実際の言い回しつきで解説します。

コツ1:「なぜ」ではなく「具体的には?」で掘る

「なぜですか」を繰り返すと、対象者は詰問されている感覚になり、その場で理由を作り始めます。作られた理由は分析上ほぼ無価値です。

代わりに「具体的には、どんな場面でしたか」「そのとき何をしましたか」と、事実を尋ねる形に置き換えます。事実の描写を積み重ねると、理由は解釈としてこちらが導き出せます。これは「なぜ」を対象者ではなく分析者が引き受けるという発想の転換です。

コツ2:過去の実際の行動を聞き、仮定質問を避ける

「こんな機能があったら使いますか」への回答は、統計的に見て実際の行動をほとんど予測しません。人は将来の自分を過大評価するためです。

必ず「直近でその作業をしたのはいつですか」「そのとき、どうやって処理しましたか」と、実際に起きたことを尋ねてください。過去の行動は、将来の行動の最も信頼できる予測因子です。

コツ3:沈黙を3秒待つ

対象者が黙ったとき、多くのインタビュアーは1秒以内に次の言葉を発してしまいます。意識的に3秒待つだけで、対象者が自ら言葉を継ぎ足す確率が大きく上がります

そして、この「継ぎ足された言葉」こそ、本音に最も近い発言であることが経験的に知られています。沈黙は失敗ではなく、深掘りが効いている証拠だと捉えてください。

コツ4:ラダリング法で価値観の階層まで降りる

ラダリング法は、製品の属性から最終的な価値観まで、はしご(ladder)を降りるように問いを重ねる技法です。「それが実現すると、あなたにとって何が良いのですか」を3回繰り返すのが基本形です。

階層1:属性(Attribute)

「操作画面がシンプル」「価格が月額1万円」といった、製品の客観的な特徴の層です。ここで止まると、競合に同じ機能を実装された瞬間に優位性が消えます。

階層2:ベネフィット(Benefit)

「入力の手間が減る」「稟議を通しやすい」といった、属性がもたらす機能的・情緒的な便益の層です。訴求メッセージの素材はこの層から取ります

階層3:価値観(Value)

「チームに信頼される自分でいられる」「無駄なことに人生を使いたくない」といった、その人の根本的な価値観の層です。ここまで降りると、ブランドのポジショニングを設計できる情報になります。

コツ5:誘導・二重質問・専門用語を排除する

「使いやすかったですよね」は誘導、「価格と機能はどうでしたか」は二重質問、「CVRは改善しましたか」は専門用語による分断です。いずれも回答の質を下げます。

作成したフローを第三者に読ませ、誘導・二重・専門用語がないかを事前にチェックしてもらうだけで、本番の事故は大幅に減ります。

コツ6:非言語情報を意図的に記録する

「ここで3秒沈黙」「苦笑いした」「声が小さくなった」といった観察メモを、発言と紐づけて残します。言葉と態度が食い違う箇所こそ、本音が隠れているポイントです。

オンライン実施では、可能な範囲でカメラをオンにしてもらい、録画を残します。複数人で録画を見返して解釈をすり合わせると、分析の妥当性が高まります。

コツ7:1日3件までに抑え、当日中に振り返る

デプスインタビューは、聞く側にとって想像以上に消耗する作業です。4件目以降は集中力が落ち、深掘りの質が明確に下がります。

実施は1日3件までとし、各回の直後に15分の振り返り時間を確保してください。この振り返りで得た気づきを、翌日以降のフローに反映していくのが、少人数調査の効率を最大化する方法です。

コツ8:事前アンケートで基礎情報を取り、本番は深掘りに専念する

属性、利用歴、頻度、満足度スコアといった「答えが一意に決まる情報」を本番で聞くのは、時間の無駄遣いです。これらは事前にオンラインフォームで取得できます。

事前アンケートにはもう一つの効果があります。回答内容を見ておくことで、「事前アンケートで◯◯とお答えいただいていましたが、そのときのことを詳しく教えてください」という、いきなり核心に入る質問ができるようになるのです。

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デプスインタビューの分析方法と結果の活用

集めた発話は、そのままでは意思決定に使えません。逐語録からインサイトへ変換する6ステップと、よくある失敗の回避策を解説します。

分析STEP1:逐語録(トランスクリプト)を作成する

録音データを文字に起こします。90分で約15,000字が目安です。要約せず、言い淀みや繰り返しも含めてそのまま残すのが原則で、この「不完全な言い回し」に感情の揺れが表れます。

AI文字起こしツールを使えば作業時間は大幅に短縮できますが、固有名詞と専門用語は必ず人の目で修正してください。ここが崩れると、後段のコーディングが機能しなくなります。

分析STEP2:発話を切片化してコーディングする

逐語録を「一つの意味を持つ最小単位」に切り分け、それぞれに短いラベル(コード)を付けます。「稟議の不安」「前任者からの引き継ぎ不足」「無料期間での期待値形成」といった具合です。

この作業は最低2名で独立して行い、後から突き合わせるのが理想です。一人で行うと、結論に都合のよい発言だけを拾う確証バイアスが避けられません。

分析STEP3:KJ法でグルーピングし、構造を見つける

付けたコードを付箋やオンラインホワイトボードに並べ、似たもの同士を近づけて島を作ります。島ができたら、その島に名前を付けます。

重要なのは「先にカテゴリを決めてから振り分けない」ことです。既存の枠に当てはめると、新しい発見は永久に出てきません。ボトムアップで島を作り、その島の名前が「調査前には存在しなかった概念」になっていれば、良い分析ができている証拠です。

分析STEP4:上位下位関係分析で本質的欲求を導く

グルーピングした島を、「事象」→「行為の目標」→「本質的欲求」の3階層に整理します。表層の発言から、その人が本当に満たそうとしているものへ遡る手法です。

たとえば「毎回Excelに転記している」(事象)→「上司にすぐ報告できる状態にしたい」(行為の目標)→「仕事が遅いと思われたくない」(本質的欲求)という構造が見えたとき、打ち手はExcel連携機能ではなく、報告用サマリーの自動生成だと分かります。

分析STEP5:ペルソナ・カスタマージャーニーに落とし込む

導き出した構造を、チーム全員が共有できる形式に変換します。ペルソナには必ずインタビューでの実際の発言を引用として添えると、机上の空論化を防げます。

カスタマージャーニーマップには、各段階での「行動・思考・感情・接点・障壁」を配置します。障壁の欄が施策のバックログそのものになるため、実務への接続が容易です。

分析STEP6:意思決定できるレポートにまとめて共有する

レポートは「結論 → 根拠となる発言 → 推奨アクション」の順で構成します。逐語録の全文を添付するのは補足資料としてのみで、本文には入れません。

意思決定者が見るのは冒頭の1枚です。「何が分かったか」「だから何をすべきか」を1枚に収めることを最優先にしてください。

分析でよくある3つの失敗

失敗1:1人の発言を全体の声として扱う

印象的な発言は記憶に残りますが、それが1人だけの意見である可能性は常にあります。「何名中何名が言及したか」を必ず併記し、単独発言は「仮説」として扱ってください。

失敗2:要望をそのまま施策にする

「この機能が欲しい」をそのまま開発すると、使われない機能が増えるだけです。要望の背後にある本質的欲求まで降りてから、打ち手を再設計する工程を必ず挟みます。

失敗3:分析者が事前の結論に合わせて発言を選ぶ

最も検出しにくく、最も損害の大きい失敗です。複数名でのコーディング、反証となる発言の明示的な列挙という2つの仕組みで防ぎます。「仮説に反する発言はこれでした」という項目をレポートに入れる運用が効果的です。

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デプスインタビューの成功事例5選【業種別】

ここでは、業種別にデプスインタビューが成果につながった典型的な活用パターンを5つ紹介します。いずれも「調査目的 → 対象者設計 → 発見 → 打ち手 → 成果」の流れで整理しているため、自社の状況に近いものを型として流用できます。なお記載の数値は、公開されている調査事例をもとにした一般的な水準の目安です。

事例1:BtoB SaaS|解約率の改善(UXカーブ活用)

調査目的は「契約から半年で利用継続率が急落する原因の特定」。定量データでは「ログイン頻度の低下」までは分かっていたものの、その理由が説明できない状態でした。

対象者は、直近6か月で解約した企業の実務担当者8名。決裁者ではなく、あえて日常的にツールを操作していた担当者を選んだ点がポイントです。

手法としてUXカーブを採用し、導入から解約までの満足度の推移を対象者自身に線グラフとして描いてもらいながら、山と谷の理由を語ってもらいました。

発見されたインサイトは、解約の引き金が機能不足ではなく「導入を推進した担当者の異動」だったという点です。引き継ぎが行われず、後任が使い方を理解できないまま放置され、更新時に「使っていないから解約」と判断されていました。

打ち手は、担当者変更を検知した際の再オンボーディング導線の新設と、管理者向けの引き継ぎ用ドキュメント自動生成。結果として解約率が改善し、機能開発に予算を割く前に課題が解消されました。

事例2:アパレルEC|優良顧客の声からのリブランディング

調査目的は「新規獲得コストが高騰する中で、既存の優良顧客が何に価値を感じているのかを言語化すること」でした。

対象者は、年間購入金額が上位5%に入る顧客6名。「なぜ買い続けるのか」を本人が説明できないことを前提に、直近3回の購入について、購入日の一日の流れごと再現してもらう設計としました。

発見は、購入理由が商品のデザインや価格ではなく「同僚に褒められた経験の再現」だったこと。つまり顧客が買っていたのは服ではなく、職場での自己評価の高まりでした。

打ち手として、商品紹介の訴求を「素材・シルエット」から「着ていったときに周囲からどう見られるか」へ全面的に変更。メールマガジンの開封率とサイト回遊率が改善し、リピート購入率が向上しました。

事例3:人材派遣|派遣スタッフの定着率向上

調査目的は「就業開始から3か月以内の早期離職を減らすこと」。定期アンケートでは「満足」と回答していた人が突然辞めるという矛盾が課題でした。

対象者は、3か月以内に離職したスタッフ7名。センシティブなテーマのため、担当営業ではなく第三者がインタビュアーを務める設計としました。これはデプスインタビューでは極めて重要な配慮です。

発見は、離職の直接原因が業務内容ではなく「就業先で誰に質問していいか分からない状態が2週間続いたこと」だった点。アンケートでは「満足」と答えていたのは、担当営業に気を遣っていたためでした。

打ち手は、就業初週の匿名オンラインヒアリングの導入と、就業先での質問先を明文化した初日案内カードの配布。対面ヒアリングを自動化することで、担当営業の工数を増やさずに定着率が改善しました。

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事例4:医療・ヘルスケア|受診行動の障壁の特定

調査目的は「症状の自覚があるにもかかわらず受診に至らない層の障壁を特定すること」でした。健康や身体に関するテーマは集団の場では語られないため、デプスインタビュー以外に選択肢がない典型例です。

対象者は、自覚症状がありながら1年以上受診していない5名。事前アンケートで症状の程度を把握したうえで、本番は受診をためらった具体的な場面の再現に集中させました。

発見は、障壁が「時間がない」ではなく「重い病気だと告げられる可能性への恐れ」「問診で生活習慣を叱責される想像」という感情面にあったことです。表面的なアンケートでは「多忙」と回答されていました。

打ち手は、告知の不安を和らげる事前説明コンテンツの制作と、Web上の簡易セルフチェック(診断コンテンツ)から予約導線へつなぐ設計。心理的ハードルを段階的に下げることで、予約数が改善しました。

事例5:BtoB製造業|新規商材のコンセプト検証

調査目的は「開発中の新サービスが、実際に現場で使われる文脈を持つのかを検証すること」。社内では有望視されていたものの、実需の裏づけがない状態でした。

対象者は、想定ターゲット企業の現場責任者6名。あえて自社の既存顧客ではなく、取引のない企業を選定し、忖度のない反応を得られるようにしました。

発見は、コンセプト自体への評価は高いものの、導入判断の権限が想定していた部署になく、実際は品質保証部門が拒否権を持っていたという構造でした。これは定量調査では絶対に見つからない情報です。

打ち手として、ターゲット部署を変更し、営業資料を品質保証部門向けの内容(トレーサビリティと監査対応)に全面刷新。商談化率が大きく改善し、開発の方向性も現場要件に沿って修正されました。

デプスインタビューの費用相場と内訳

実施を検討する際に必ず問題になるのが予算です。調査会社に依頼した場合の総額は30万〜100万円程度が相場で、内訳は以下のようになります。

費用項目 金額の目安 備考
企画・調査設計 5万〜15万円 目的整理、フロー設計を含む
リクルーティング 1名あたり1万〜1.5万円 条件が厳しいほど上昇
対象者への謝礼 1名あたり8千〜1万円 専門職・経営層は2万円以上のことも
会場費(対面の場合) 1時間あたり2万〜4万円 オンラインなら不要
実査費(モデレーター) 5万円〜 1日あたりの人件費
文字起こし 1件あたり1万〜2万円 AIツール利用で大幅に削減可能
分析・レポート作成 5万〜20万円以上 納品形式により変動

コストを抑える3つの方法

方法1:オンライン実施に切り替える。会場費と移動費がまるごと不要になり、地方在住者にもアクセスできるようになります。対面と比べて総額を3〜4割削減できるケースが一般的です。

方法2:依頼範囲を限定する。最も外注価値が高いのはリクルーティングです。対象者集めだけを依頼し、実施と分析を自社で行うだけで、費用は大きく下がります。

方法3:既存顧客に協力を依頼する。自社顧客であればリクルーティング費用がかからず、謝礼のみで実施できます。デジタルギフトを使えば、当日その場で謝礼を送付でき、事務工数もほぼゼロです。

デプスインタビューの効率化にはInterviewz(インタビューズ)がおすすめ!

デプスインタビューの負荷の大半は、本番の90分ではなくその前後(事前情報の収集と、継続的な声の蓄積)に発生します。ここを自動化できるのがヒアリングDXツール「Interviewz(インタビューズ)」です。

Interviewz(インタビューズ)とは

Interviewzは、プログラミング不要で高機能なヒアリングフォーム・診断コンテンツを作成できるノーコード型SaaSです。タップ操作を中心とした回答体験により、従来のフォームより高い回答率を実現します。

導入企業ではリード数268%向上、ヒアリングコスト90%削減、サポートコスト半減といった成果が報告されており、最短1日から利用を開始できます

デプスインタビューにInterviewzが向いている6つの理由

理由1:事前アンケートを最短数分で作成でき、本番を深掘りに使える

属性・利用歴・満足度といった基礎情報を、テンプレートから数分でフォーム化できます。本番90分をすべて深掘りに充てられるため、1件あたりの情報密度が大きく向上します。

理由2:分岐設計により対象者ごとに最適な質問を出し分けられる

回答内容に応じて次の質問を変える条件分岐に対応しています。スクリーニング調査と事前アンケートを1つのフォームに統合でき、対象者に無関係な質問を見せずに離脱を防げます

理由3:タップ型UIで回答率が高く、リクルーティングの母数を確保しやすい

入力の手間が少ないUIにより、スクリーニング段階での回答数を確保しやすくなります。母数が増えれば、条件に合う対象者を選び抜けるため、調査の質そのものが上がります。

理由4:デジタルギフト連携で謝礼の送付を自動化できる

謝礼の手配は、地味ながら担当者の工数を奪う作業です。デジタルギフトと連携することで、回答完了と同時に自動送付でき、事務処理をほぼゼロにできます。

理由5:HubSpot・Salesforce・スプレッドシートとノーコード連携できる

収集した回答をCRM・MAツールへ自動連携できるため、インタビュー参加者のその後の行動(商談化、受注、解約)まで追跡できます。定性の発見と定量の結果を突き合わせる運用が可能になります。

理由6:継続的な声の蓄積により「単発調査」で終わらせない

デプスインタビューの最大の弱点は、実施が単発で終わりやすいことです。Interviewzで常時稼働するヒアリング導線を設置しておけば、日常的に顧客の声が蓄積され、次の調査の仮説づくりに直結します。

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デプスインタビューに関するよくある質問(FAQ)

Q1. デプスインタビューは何人に実施すればよいですか?

A. 5〜10名が標準的な目安です。定性調査では5〜6名で主要な論点の大半が出尽くすとされ、それ以上は新しい発見の増加が緩やかになります。

ただし複数のセグメントを比較したい場合は、1セグメントあたり最低3〜5名が必要です。2名以下だと、個人の特殊事情なのかセグメント共通の特性なのかを区別できません。

Q2. 1回あたりの時間はどれくらいが適切ですか?

A. 60〜90分が一般的です。60分未満では信頼関係の構築と深掘りの両立が難しく、120分を超えると対象者の集中力が落ちて回答が雑になります。

オンライン実施の場合は、対面よりも疲労が早いため60〜75分に設定するのが無難です。

Q3. オンラインと対面ではどちらが良いですか?

A. 目的次第です。コスト、地理的制約、日程調整のしやすさではオンラインが圧倒的に有利で、現在は多くの調査がオンラインで実施されています。

一方、製品の実物に触れてもらう、自宅や職場の環境を見せてもらう、極めてセンシティブなテーマを扱う場合は対面に分があります。ハイブリッド(一部のみ対面)という選択も現実的です。

Q4. インタビュアーは社内の誰が担当すべきですか?

A. 対象者と利害関係のない人物が原則です。担当営業がインタビュアーを務めると、対象者は気を遣って本音を語りません。

社内で実施する場合は、その顧客を担当していない部署のメンバーを立てる、あるいは第三者にモデレーターを依頼するのが有効です。少なくとも、「評価には一切影響しません」と冒頭で明示してください。

Q5. 対象者への謝礼はいくらが妥当ですか?

A. 一般消費者向けなら60〜90分で8千〜1万円程度が相場です。専門職、医師、経営層など希少性の高い層では2万〜5万円になることもあります。

自社の既存顧客に依頼する場合は、金銭以外(優待、先行機能提供、調査結果のフィードバック)が有効な謝礼になるケースも多くあります。

Q6. デプスインタビューの結果はどこまで社内で信頼してよいですか?

A. 「意思決定のための仮説」としては十分に信頼できますが、「市場全体の比率」としては使えません。この線引きを社内で共有しておくことが極めて重要です。

比率を主張する必要がある場面では、デプスインタビューで得た仮説を定量アンケートで検証してください。この二段構えが、定性調査を社内で正しく機能させる条件です。

Q7. AIで文字起こしや分析を代替できますか?

A. 文字起こしと一次的な要約はAIで大幅に効率化できます。90分の逐語録作成が数分で終わるため、導入価値は非常に高い領域です。

一方で、非言語情報の解釈、発言と態度の矛盾の検出、本質的欲求の言語化は人の判断が必要です。AIは前処理、人は解釈という役割分担が現実的です。

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まとめ|デプスインタビューは「設計」で9割決まる

デプスインタビューは、1対1の深い対話によって、顧客自身も気づいていない本音と意思決定の構造を明らかにする定性調査手法です。定量調査では到達できない「なぜ」に答えられるため、新規事業の仮説構築、解約要因の特定、訴求メッセージの刷新といった重要な意思決定を支えます。

本記事の要点を整理します。

  • 目的とリサーチクエスチョンの定義が最重要:ここが曖昧だと、どれだけ深く聞いても示唆は出ない
  • 対象者は「ターゲット」ではなく「最も情報量を持つ人」を選ぶ。5〜10名、1セグメント3〜5名が目安
  • 質問は過去の実際の行動を尋ねる。仮定質問と誘導質問は情報の質を壊す
  • 沈黙を3秒待ち、インタビュアーの発話は全体の20%以下に抑える
  • 分析は切片化→コーディング→グルーピング→上位下位関係分析の手順を固定し、複数名で行う
  • 結果は「仮説」として扱い、比率が必要な場面は定量調査で検証する
  • 事前アンケートで基礎情報を取れば、本番90分をすべて深掘りに使える

次に取るべきアクションは明快です。まず「この調査が終わったとき、どんな意思決定ができる状態でいたいか」を1文で書き出すこと。次に、その意思決定に最も情報を持つ人を3名リストアップすること。この2つが決まれば、実施計画は自然に組み上がります。

そして、インタビュー前後の作業負荷を下げたい場合は、ヒアリングDXツールの活用を検討してください。事前アンケート、謝礼送付、CRM連携までを自動化すれば、担当者は「聞くこと」と「考えること」に集中できます

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