定型文の導入で問い合わせ対応を効率化しよう|メール対応に追われている企業必見
- 2023/04/19
- 2023/06/26
目次
問い合わせ業務の効率化は、ジャンル問わずどの企業でも重視されているといえます。
問い合わせ件数が多かったり、対応に時間がかかったりしている場合、定型文の活用で効率化が図れます。
しかし問い合わせ業務の効率化を目指している方の中には、「どのような定型文を導入すべきかわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、問い合わせ対応でよく使う定型文の例や定型文で効率化するメリット、定型文を導入する際のポイントを紹介します。
その他、定型文を活用する方法以外に問い合わせ業務を効率化する方法をお伝えするので、問い合わせ業務に関する課題を抱えている方はぜひ参考にしてください。
問い合わせ対応でよく使う定型文の例
問い合わせ業務の効率化を目指している方は、定型文の導入を検討してはいかがでしょうか。
定型文を導入する際、正しい日本語や敬語を用いることが大切なので、参考にするためにも定型文の例を確認してみましょう。
ここでは、問い合わせ対応でよく使う定型文を5種類紹介します。
冒頭の挨拶
問い合わせ内容に対する返答を行う前に、冒頭で挨拶をしておきましょう。
冒頭の挨拶では、企業名・担当スタッフの名前・問い合わせに対する感謝の言葉を伝えてください。
冒頭の挨拶で使える定型文は、以下の通りです。
- 「〇〇(企業名)の〇〇(担当スタッフ名)と申します。この度は、お問い合わせいただき誠にありがとうございます。」
- 「弊社のサービスをご利用いただきありがとうございます。この度は、〇〇(企業名)の〇〇(担当スタッフ名)が担当いたします。」
問い合わせ内容は、人によって異なりポジティブなものからネガティブなものまであると考えられます。
そのため、冒頭の挨拶は問い合わせ内容に応じて言葉遣いを変更しましょう。
質問に対する回答
冒頭の挨拶を済ませたら、本題に入っていきます。
質問に対する回答では、いただいている問い合わせに対して明確に返答できているか、提供情報にミスや抜け漏れがないか、などのポイントを押さえることが大切です。
きちんと顧客の悩みや疑問を解消することで、顧客満足度向上や企業イメージアップにつながりやすいです。
またメール対応で本題に入る前には、以下のような言葉を入れると良いでしょう。
- 「お問い合わせいただいた件について、以下に回答いたします。」
- 「資料請求の件、以下に送付したカタログから詳細をご確認ください。」
メール返信では、誰でも見やすいようにテキストは1文ごとに改行する、色を使って重要な点を強調する、などの工夫を施すことをおすすめします。
提案や補足
問い合わせ内容に対する回答だけではなく、こちら側が提案したり情報を補足したりするケースもあるでしょう。
提案したり補足したりして解答を行う際には、顧客に役立つような情報であるか確認することが大切です。
たとえば、新築住宅の依頼に関する問い合わせの場合、「住宅ローンの事前申請を受けてみてはいかがでしょうか。」と自然な流れで提案できるでしょう。
ただし、強引に勧誘したり別の商品やサービスを利用させたりするようなことは控えてください。
もしこちら側の提案が顧客に役立てば、顧客満足度向上につながるでしょう。
クレームに対する謝罪
問い合わせ内容は、ポジティブなものだけではなく、クレームなども来ると考えられます。
クレームに対する返答では、まず謝罪の言葉を伝えることが大切です。
謝罪の言葉で使える定型文は、以下の通りです。
- 「この度は、ご迷惑をおかけしてしまい心より深くお詫び申し上げます。」
- 「商品のお届けが遅れておりますことを心より深くお詫び申し上げます。」
- 「二度とこのようなことがないよう、今後の再発防止に取り組む所存です。」
クレームに対する謝罪は、問い合わせ内容の種類の中でも割合が少なく、定型文を用意しても利用する機会が少ない傾向にあります。
ただし、いざというときに備えて定型文を準備しておくことで、クレーム対応のような緊急時でもすぐに対応できるでしょう。
過去のクレーム対応の履歴を調べながら、よく使っている言葉を定型文に取り入れてみてはいかがでしょうか。
すぐに回答できない時の返信
他の部署を通さなければいけない場合や、担当スタッフが不在の場合などは、すぐに対応できないケースが多いです。
問い合わせを受けて24時間以内に対応できないときは、すぐに対応できない旨を伝えておきましょう。
すぐに回答できないときに使える定型文は、以下の通りです。
- 「お問い合わせ内容への返答には、少々時間を要してしまいます」
- 「◯日後までには回答いたしますので、申し訳ございませんが今しばらくお待ちくださいませ。」
可能であれば、どれくらいで返信できるのか具体的な日にちと時間を記載しておくと、顧客も安心して回答を待つことができるでしょう。
問い合わせ対応の定型文で効率化するメリット3つ
問い合わせ業務で定型文を活用する際、どのようなメリットが得られるのか把握しておくと良いでしょう。
ここでは、問い合わせ対応を定型文で効率化するメリットを3つ紹介します。
1.対応時間を短縮できる
問い合わせ対応に定型文を導入すると、メール対応の場合文章を入力する手間を省けるので、対応時間を短縮できます。
電話対応の場合は、次に何を話せば良いかわからずに言葉が詰まってしまうのを防げます。
また問い合わせ対応にかかる時間を短縮できれば、少しでも対応できる件数を増やせたり、早く仕事を終わらせてスタッフの負担を軽減したりできるでしょう。
その他、余った時間を他の業務に充てられる、残業時間が減らせるなどのメリットがあります。
2.業務品質のばらつきを防げる
定型文を活用すると、スタッフによって言葉遣いや内容にばらつきができるのを防げます。
特に新人スタッフを雇う際には、同時に定型文の活用を検討すると良いでしょう。
定型文を上手に活用することで、新人スタッフでも早く業務に慣れやすいです。
また問い合わせの業務品質の向上や維持により、顧客満足度が上がることも期待できます。
3.業務効率化を図れる
定型文の活用で対応時間を短縮できたり業務品質を向上できたりすると、結果的に業務の効率化が図れます。
業務の効率化がうまくいったら、業績が上がる、時間に余裕ができてプラスアルファの提案ができる、などのメリットにつながる可能性があります。
また業務の効率化で、残業時間が減少してスタッフの満足度が上がれば離職率低下にもつながるでしょう。
問い合わせ対応で定型文を用いる際のポイント7つ
問い合わせ対応は、定型文を活用することで効率化を図れます。
しかし誤った方法で定型文を導入してしまった場合、問い合わせ業務に関する課題を解消できないでしょう。
ここでは、問い合わせ対応で定型文を用いるときのポイントを7つ紹介します。
敬語を使う
正しい敬語を使うことは、ジャンル問わずすべてのビジネスで大切です。
正しい敬語を身につける際には、普段から言葉遣いに気をつけてください。
敬語を使うときに意識すべきポイントは、以下の通りです。
- 二重敬語を使わない
- 尊敬語・丁寧語・謙譲語を使い分ける
- 同じ言葉を連続して使わない
よく言葉の頭に「お」や「ご」をつけ過ぎてしまうケースがあるので、正しい敬語が使えているか社員を相手に練習してみると良いでしょう。
定型文だけを頼らない
定型文に頼り過ぎてしまうと、本当に必要な情報を伝えられない恐れがあります。
定型文はあくまでも例文として捉えておき、顧客の要望に応えることを1番に優先しましょう。
また顧客の問い合わせに対する回答だけではなく、今の顧客の悩みを解決できそうな情報を追加で伝えるのも大切です。
問い合わせ内容に対して的確に対応する
問い合わせ内容に対して、的確な回答をできるようにしましょう。
顧客が求めている情報を提供できない場合、顧客満足度が低下する恐れがあります。
顧客の要望に対し的確に回答するには、まず「顧客が何を求めているか」を明確にすることが重要なので、「〇〇の情報をお求めで間違い無いでしょうか」というように要望を再確認すると良いでしょう。
誰でもわかりやすい言葉を使う
問い合わせ内容に対して的確な回答ができても、難しい言葉で意味が通じていなかったら意味がありません。
特に、専門用語や社内でしか使わない言葉を使用しないように注意しましょう。
専門用語を使わなければいけない場面では、その言葉の意味をすぐに解説することがポイントです。
またメール対応の場合、誰でもわかりやすい内容になっているか、返信の文章を社員に確認してもらうと良いでしょう。
クッション言葉を用いる
クッション言葉とは、物事を柔らかく伝える際に役立つ言葉です。
使えるクッション言葉には、以下のようなものがあります。
- 恐れ入りいますが
- 失礼いたしますが
- 大変恐縮ですが
- お手数ではございますが
- ご希望がございましたら
- ご不便をおかけいたしますが
- ご説明不足で
- ご希望に添えず
使用しすぎると肝心な点が伝わらない恐れがあるので、適切に使うことがポイントです。
否定的な言葉を使わない
否定的な言葉を避けて、肯定的な言葉を使ったりこちらから提案したりすると良いでしょう。
たとえば「〇〇できません」と伝えるよりも、別の方法をポジティブに伝えることが大切です。
できないと単刀直入に伝えると、「せっかく問い合わせたのに意味がない」と思われる恐れがあります。
おもてなしの言葉を用いる
おもてなしの言葉とは、文末などに入れておくと顧客に好印象を与える可能性のある言葉です。
おもてなし言葉には、主に以下のようなものがあります。
- お客様の一助となれれば幸いです
- ご不明な点がございましたら、何なりとお申し付けくださいませ(お気軽にお問い合わせください)
- その他お困りの点やご不明点はございませんでしょうか
この一文を終わりにつけるだけでも、顧客からの印象をアップさせることができるでしょう。
定型文導入以外の問い合わせ対応を効率化する方法4つ
定型文を活用しはじめても、なかなか課題を解消できない場合も考えられます。
その際には、定型文の導入とともに他の効率化する方法を取り入れることがおすすめです。
ここでは定型文を活用する方法以外に、問い合わせ業務を効率化する方法を4つ紹介します。
チャットボットを導入する
チャットボットは、問い合わせに対してロボットが代わりに回答してくれるシステムです。
チャットボットを導入することで、人が対応しなくても自動的に回答してくれる仕組みを取り入れられます。
そのため24時間365日問い合わせを受け付けられ、業務時間外でも対応が可能です。
ただし、クレームなどの複雑な対応が必要な場合は、チャットボットから有人オペレーターにつなげる必要があります。
簡単な質問に答えられれば十分な場合はシナリオ型のチャットボット、複雑な質問に回答できる仕組みを取り入れたい場合はAI搭載型のチャットボットがおすすめです。
FAQページを設置する
FAQページを設置しているのにも関わらず問い合わせ件数が多い場合は、FAQページを見直してみましょう。
そもそもFAQページを設置していないときは、FAQページの解説を検討することをおすすめします。
FAQページが充実していると、顧客が自ら問題を解決してくれるので、自然と問い合わせ件数を削減できるでしょう。
またFAQページを見直す際には、過去の問い合わせ履歴から件数が多い内容をピックアップしていきます。
FAQページを訪れたユーザーたちが自分の悩みを解決できるよう、誰もが見やすいデザインにすることも大切です。
オペレーター対応が必須な問い合わせ内容の場合は、FAQページからオペレーターにつながる仕組みを設置すると良いでしょう。
問い合わせ内容を事例として残す
これからの問い合わせ内容は、履歴や事例としてきちんと残していくことが重要です。
きちんと対応できていたか、他の解決策はなかったかなど、後から分析を行って最善の策を見つけられる可能性があります。
また問い合わせ件数が多い内容は、マニュアルに定型文として導入しておくことも一つの策です。
問い合わせ内容を振り分ける
問い合わせを受け付けたら、内容に応じて適切な担当スタッフに振り分けましょう。
メール対応の場合は、メールを受信した時点でスタッフや種類ごとに分けてください。
メールの振り分けを自動化すると、朝の作業にかける時間を削減できます。
また電話対応の場合は、音声ガイダンスであらかじめ問い合わせ内容を確認することで、適切な対応ができるスタッフに電話をつなげられます。
どのスタッフでも対応できるような仕組みづくりも大切ですが、顧客の問い合わせに対して的確に対応できるスタッフに振り分けることも大切です。
まとめ
問い合わせ対応での定型文は、冒頭の挨拶やすぐに返信できないときに役立ちます。
定型文を活用することで、対応時間を短縮できる、業務品質のばらつきを防げるなどのメリットから、結果的に業務効率化を図れる可能性が高まります。
定型文を作成する際には、正しい敬語が使えているか、誰でもわかりやすい言葉を使えているか、などのポイントに着目してください。
ただし、ただ定型文を導入するだけでは十分に業務効率化できないケースがあります。
本記事では、定型文を活用する方法以外に問い合わせ対応を効率化するための方法を紹介しているので、問い合わせ対応でさまざまな課題を抱えている方はぜひ参考にしてください。