プレスリリースのやり方7ステップ|掲載される書き方と会社選びを徹底解説
- 2026/01/01
- 2026/09/02
プレスリリースのやり方が分からず、書いたのに1件も掲載されない——BtoB企業の広報・マーケティング担当者から最も多く聞く悩みです。原因の多くは文章力ではなく、ネタの選び方・情報設計・配信先の選定という「手前の工程」にあります。
本記事では、企画から配信・効果測定までのプレスリリースのやり方を7ステップで整理し、掲載率を左右する書き方のコツ、主要配信サービス8社の料金比較、失敗例、実践事例までを一気通貫で解説します。
読み終えたときには、「何を、どの順番で、どこへ出せばいいか」が自分の言葉で説明できる状態になり、初回配信からメディア掲載を狙える設計図が手に入ります。
この記事の監修・運営情報
運営企業:ラーナーズ株式会社 Interviewz(インタビューズ)/ヒアリングDXブログ編集部
監修:Interviewz プロダクトチーム(ヒアリング・診断コンテンツ設計の支援実績をもとに監修)
専門領域:BtoB/BtoCのヒアリング設計、アンケートUX、診断コンテンツによるCVR改善
ヒアリングDX・BtoBマーケティング支援領域で、企業のアンケート設計/顧客インタビュー/調査データ活用を支援。自主調査リリースの設計支援実績をもとに、広報・PR領域の情報発信を行っています。
※本記事の料金・サービス仕様は2026年9月時点で各社公式サイトを確認した情報です。最新の条件は必ず各社公式サイトでご確認ください。
プレスリリースとは?広告・ニュースリリースとの違い

プレスリリースのやり方を学ぶ前に、そもそも何のための文書なのかを正確に押さえておく必要があります。ここを誤解したまま書き始めると、どれだけ丁寧に作っても記者には届きません。
プレスリリースの定義と本来の役割
プレスリリースとは、企業が報道関係者に向けて発表する「ニュースの素材」です。読者に直接売り込む文書ではなく、記者が「これは記事にする価値があるか」を判断するための材料を提供するものだと考えてください。
したがってプレスリリースのゴールは「読まれること」ではなく、「記者が自分の言葉で記事を書ける状態にすること」にあります。事実・数値・背景・図版・問い合わせ先が揃っていれば、記者は追加取材なしでも記事化できます。
逆に、熱意だけが並び事実が薄いリリースは、記者にとって「取材コストが高い案件」になります。1日に数十〜数百通のリリースを受け取る記者は、判断材料が足りない文書を後回しにするのが実情です。
広告との決定的な違いは「判断の主体」
広告は枠を買って、自社の主張をそのまま載せる手段です。表現の主導権は企業にあり、「業界No.1」「画期的」といった評価語も(根拠があれば)自由に使えます。
一方プレスリリースは、掲載するかどうかの判断権が完全にメディア側にある点が決定的に違います。企業ができるのは事実を過不足なく提示することだけで、価値づけは記者が行います。
この違いを理解していないと、リリースが「広告コピーの寄せ集め」になり、記者から敬遠されます。評価語を削り、事実と数値に置き換えるだけで通過率は大きく変わります。
ニュースリリース・パブリシティとの使い分け
実務上、プレスリリース=報道機関向け、ニュースリリース=顧客・株主も含む広い対外発表として使い分けるケースが一般的です。ただし国内では両者はほぼ同義に扱われることも多く、厳密な線引きにこだわる必要はありません。
重要なのは呼称ではなく想定読者の設定です。記者向けなら専門用語を絞り客観的事実を厚く、顧客向けならベネフィットや利用イメージを厚くするなど、同じ発表でも構成は変わります。
また「パブリシティ」は、リリース配信の結果として得られる報道による露出そのものを指します。広告と違って費用がかからず、第三者の視点が入るため信頼性が高いのが特徴です。
プレスリリースを出す4つのメリット
第一に、広告費をかけずに信頼性の高い露出を得られる点です。メディアという第三者を通すことで、自社発信よりも情報の説得力が高まります。
第二に、検索・SNS上の資産が蓄積される点です。配信サービス経由のリリースは各種ポータルに転載され、社名や商品名での検索結果を長期的に押し上げます。
第三に、採用・与信・営業に波及する点です。「メディアに載っている会社」という事実は、求職者や取引先の与信判断に直接効きます。
第四に、社内の情報整理が進む点です。リリースを書く過程で「自社の何が新しいのか」を言語化せざるを得ず、事業側の言葉が磨かれます。
【比較表】プレスリリース配信サービス8社の料金・配信先一覧

プレスリリースのやり方を考えるうえで、「どこから配信するか」は掲載率を左右する最大の変数のひとつです。まずは主要サービスの全体像を1枚で把握してください。
| サービス | 料金の目安(税抜) | 配信先の規模 | 特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|---|
| PR TIMES | 従量課金 30,000円/件 定額 70,000〜80,000円/月(月30件) |
提携メディア200超/登録メディア約11,000媒体 | 国内シェア最大手。上場企業の利用率が高く、リリース自体が読み物として読まれる | 認知拡大とSNS拡散を最優先したい企業 |
| @Press | 30,000円/件〜 | 8,000媒体規模/FAX・郵送にも対応 | 専任スタッフによる原稿チェックと配信リスト作成が標準。記事化数の実績を訴求 | 原稿品質に不安がある初回配信の企業 |
| valuepress | 従量 30,000円/件 定額 35,000円/30日(配信無制限) |
登録記者11,000名超/1配信あたり最大1,000名 | 定額プランで回数を打てる。原稿作成代行が回数制限なしのプランあり | 中小企業・配信頻度を上げたい企業 |
| ドリームニュース | 定額制(配信無制限)/初期費用なし | 提携先7,000超 | 低価格・定額での配信し放題。導入社数が多い | コストを最優先しつつ量を確保したい企業 |
| 共同通信PRワイヤー | 単発 85,800円(税込) 年5回プランで1回あたり約40,920円 |
国内1,000媒体超/海外は世界35,000媒体規模 | 報道機関系の信頼性。海外配信ネットワークが強い | 上場企業・IR・海外展開を伴う発表 |
| DIGITAL PR PLATFORM | 従量課金型 | 新聞社系・大手ポータル中心 | 提携メディアへの転載が強く、二次拡散を狙いやすい | ニュースポータル露出を重視する企業 |
| ネタもと | 月額制(サブスクリプション) | メディア会員との双方向マッチング | 配信だけでなくメディアからの逆引き接点と広報人材育成を含む | 社内に広報担当を育てたい企業 |
| 無料配信サービス (ツナググ・ぷれりり等) |
0円(配信数に上限あり) | 限定的 | まず出す経験を積むには十分。転載範囲は有料と差がある | 予算ゼロで検証したい創業期企業 |
※2026年9月時点で各社公開情報を確認。プラン改定があるため申込前に公式サイトで最新条件をご確認ください。
比較表の読み方|3つの判断軸に分解する
サービス選定で迷ったら、「配信量」「原稿支援」「信頼性」の3軸に分解すると答えが出ます。すべてを満たすサービスは存在しないため、自社に不足している要素を買う発想が必要です。
原稿を書ける人が社内にいるなら配信量重視で定額型、書ける人がいないなら原稿支援が手厚いサービス、上場・海外・金融など情報の正確性が問われる領域なら報道機関系という整理になります。
また、初回は従量課金で試し、月2件以上出せる体制ができてから定額へ切り替えると無駄なコストを抑えられます。月1件しか出さないのに定額契約を結ぶのが、最もよくある失敗です。
PR会社(外注)と配信サービスの違い
配信サービスは「届ける手段」を提供するもので、ネタの発掘や記者との関係構築までは行いません。原稿・素材・企画は自社で用意する前提です。
対してPR会社は企画立案・原稿作成・記者への個別アプローチ・取材同席までを担います。費用は月額30万〜100万円規模が一般的で、投資対効果を測る期間も長くなります。
判断基準はシンプルで、「不足しているのは手段か、企画力か」です。ネタはあるが届け先がないなら配信サービス、ネタの見立てから相談したいならPR会社が適しています。
【一覧表】プレスリリース作成前に埋めるべき質問項目14

いきなり本文を書き始めるのが、プレスリリースが失敗する最大の原因です。書く前に以下14項目を埋めるだけで、原稿作成時間は半分になり、情報の抜け漏れもなくなります。
| # | 質問項目 | 確認する内容 | 記載先 |
|---|---|---|---|
| 1 | What(何を) | 発表する事実を1文で。商品名・サービス名は正式表記で | タイトル/リード |
| 2 | Who(誰が) | 発表主体の正式社名、共同発表なら全社名 | リード/会社概要 |
| 3 | When(いつ) | 発表日・提供開始日・申込期限を年月日で | リード/本文 |
| 4 | Where(どこで) | 提供エリア、店舗、URL、開催場所 | 本文 |
| 5 | Why(なぜ) | 背景となる社会課題・市場変化・顧客の声 | 本文(背景) |
| 6 | How(どのように) | 仕組み・機能・提供方法 | 本文(詳細) |
| 7 | How much(いくら) | 価格・料金プラン・無料範囲 | 本文(詳細) |
| 8 | ニュースバリュー | 新規性/社会性/時事性/意外性/地域性のどれに当たるか | 企画判断 |
| 9 | 数値の根拠 | 「初」「No.1」の調査主体・期間・対象・出典 | 本文/注記 |
| 10 | 想定メディア | 業界紙/ビジネス/Web/地域紙のどこを狙うか | 配信先選定 |
| 11 | 想定される見出し | 記者が付けそうな記事タイトルを自分で書いてみる | タイトル検証 |
| 12 | ビジュアル素材 | メイン画像1点+補足2〜3点、解像度と権利処理 | 添付 |
| 13 | コメント | 代表者・開発責任者・顧客の一次コメント | 本文 |
| 14 | 問い合わせ先 | 担当部署・氏名・電話・メール・対応可能時間 | 末尾 |
特に8番のニュースバリューと11番の想定見出しは必ず埋めてください。この2つが書けない発表は、そもそもリリースにする段階ではないと判断できます。
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👉 ヒアリングシート作成ガイド(マーケティングリサーチ編)
プレスリリースのやり方7ステップ【企画から効果測定まで】
ここからが本題です。プレスリリースのやり方を、実務でそのまま使える7ステップに分解して解説します。所要期間の目安は、初回で2〜3週間、慣れれば1週間程度です。
STEP1:ネタを棚卸しし、ニュースバリューを判定する
最初の工程は原稿執筆ではなく、「社内にどんな変化があったか」の棚卸しです。新商品だけがネタではありません。価格改定、拠点開設、人事、資金調達、提携、受賞、調査結果、周年、社内制度なども立派な素材になります。
棚卸しした候補を、新規性・社会性・時事性・意外性・地域性の5観点で採点してください。1つも当てはまらないものは配信を見送り、2つ以上当てはまるものを優先します。
判定のコツは「自社にとっての大事さ」ではなく「読者にとっての意味」で測ることです。社内で盛り上がっている話ほど外部視点が抜けやすいため、営業や顧客に「これニュースだと思う?」と聞くのが最も確実な検証になります。
STEP2:発表の切り口とターゲットメディアを決める
同じ事実でも、切り口を変えると届く先が変わります。たとえば新機能のリリースは、「機能の話」として出せばIT系メディア、「業界課題の解決」として出せば業界紙、「働き方の変化」として出せばビジネス誌に届きます。
そこで、狙うメディアを3〜5媒体まで具体名で絞り込みます。媒体名が決まれば、その媒体が過去にどんな記事を出しているかを確認でき、使うべき語彙とデータの粒度が自動的に決まります。
ここを飛ばして「とりあえず全メディアへ配信」とすると、誰にも刺さらない平均的な文章になります。ターゲット媒体の直近3本の記事を読んでから書き始めるのが、掲載率を上げる最短ルートです。
STEP3:素材(数値・コメント・画像)を集める
原稿を書く前に素材を揃えます。必要なのは①裏付けとなる数値、②一次情報としてのコメント、③記事に使えるビジュアルの3点です。
数値は自社実績(導入社数、削減率、稼働時間など)でも、自主調査の結果でも構いません。重要なのは調査主体・期間・対象・n数を明記できる形で持つことで、これがないと記者は数値を使えません。
画像は、記事のサムネイルに耐える横長・高解像度のメイン画像1点を必ず用意してください。図解・製品写真・利用シーンの3種があると、媒体ごとの都合に対応できます。
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STEP4:逆三角形構成で原稿を書く
原稿は結論から書く「逆三角形構成」が鉄則です。タイトル→リード(5W2H要約)→本文詳細→背景→コメント→会社概要→問い合わせ先の順で、上から読むほど重要度が下がる並びにします。
記者は最初の数行で読むか捨てるかを判断します。1行目に最も新しい事実を置くだけで、途中離脱を大きく減らせます。
分量はA4で1〜2枚、文字数にして800〜1,500字が目安です。詳細な仕様やデータは本文に詰め込まず、別紙・別URLに逃がすと読みやすさを保てます。
STEP5:配信方法を選び、配信先リストを作る
配信方法は大きく①配信サービス経由、②メディアへの直接送付、③記者クラブへの投げ込みの3つです。多くの企業は①を軸に、狙いたい媒体だけ②を併用する形が効率的です。
直接送付では、メール件名がすべてを決めます。共同通信PRワイヤーが2024年11〜12月に報道関係者330名へ実施した調査では、約45.8%が「メール件名」で開封を判断すると回答しており、リリースタイトル(35.8%)を上回りました。
件名は30字前後で「誰が・何を・いつ」が分かる形にし、数値や新規性を前方に置いてください。「【調査】○○の62%が△△と回答/□□社」のような型が有効です。
STEP6:配信タイミングを設計して送る
同じ内容でも、送る曜日と時間で反応は変わります。一般に火曜〜木曜の午前10〜11時が、記者が企画会議前に情報を仕込む時間帯として反応が取りやすいとされます。
逆に、月曜午前は週明けの処理で埋もれやすく、金曜午後は翌週に持ち越されて忘れられやすい傾向があります。大型連休の直前直後と、大きなニュースが予想される日は避けるのが基本です。
また、前述の調査では受信後すぐに確認する記者が48.2%、まとめて確認する記者が29.7%と、確認タイミングが分散していることも分かっています。一度で決めきれない前提で、掲載されなかった媒体へのフォロー配信まで設計しておきましょう。
STEP7:掲載状況を測定し、次回に反映する
配信して終わりにせず、掲載件数・掲載媒体の質・PV・問い合わせ数・指名検索数を記録します。1回では傾向が読めないため、最低5回分を同じ表で管理してください。
特に見るべきは「どの切り口のときに、どの媒体が反応したか」です。ここが分かると、次回以降はネタの選定段階で成功確率を上げられます。
掲載された記事は自社サイト・営業資料・採用ページに二次利用し、1回の配信を複数の資産に変換するところまでが1サイクルです。
プレスリリースの書き方|構成要素別の作成ルール

ここでは、原稿を構成する各パーツについて「何を書き、何を書かないか」を具体的に整理します。
タイトルの書き方|30字前後で事実と数値を前方に
タイトルは30字前後を目安に、「誰が・何を・どうした」を過不足なく収めます。長すぎるとメール一覧やポータル上で末尾が切れ、肝心の情報が読まれません。
効果的なのは固有名詞+数値+新規性の組み合わせです。「業務効率化を実現する新サービスを提供開始」よりも、「問い合わせ対応を平均62%削減するAIヒアリングツールを提供開始」のほうが、記者は記事の形を想像できます。
避けるべきは「画期的」「業界初の革新的な」といった評価語と抽象語です。評価は記者が下すものなので、企業側は事実の提示に徹してください。
リード文の書き方|5W2Hを150字以内で要約
リード文は、ここだけ読めば発表内容がすべて分かる要約にします。文字数は150字以内、2〜3文が理想です。
型としては「【社名】は、【日付】より、【対象】向けに【何】を【どのように】提供開始します。【背景・意義を1文】」が汎用的に使えます。主語と日付を最初に置くのがポイントです。
リードに背景や思いを詰め込むと途端に読みにくくなります。背景は本文へ、リードは事実のみと役割を分けてください。
本文の書き方|「詳細→背景→コメント」の3ブロック
本文は3つのブロックに分けると破綻しません。①詳細(機能・価格・提供方法)、②背景(なぜ今それをやるのか)、③コメント(一次情報の肉声)の順です。
①詳細ブロックは箇条書きで走査性を上げる
機能や仕様は文章で書かず、箇条書きと小見出しで整理します。記者は必要な情報だけを拾い読みするため、走査しやすい形が親切です。
②背景ブロックには市場データと課題を置く
「なぜこの会社が、今これを出すのか」に答えるブロックです。市場データ・法改正・顧客の声など外部要因を1つ以上入れると、記者が記事の導入部に使えます。
③コメントブロックは肩書き+名前+肉声で
コメントは「役職・氏名」を明記し、社内でしか言えない一次情報を入れます。「今後も尽力してまいります」のような定型文はカットされるだけなので、開発の裏話や顧客の反応を入れてください。
画像・図版の作り方|1枚で発表内容が伝わるか
画像はメイン1点+補足2〜3点が基本構成です。メイン画像は横長(16:9前後)・高解像度で、サムネイル表示でも文字が読めるサイズにします。
最も効果的なのは、調査データのグラフとサービスの利用イメージ図です。この2種があるだけで、Webメディアの記事化ハードルは大きく下がります。
権利処理も忘れずに。人物写真、他社ロゴ、フォント、素材サイトの画像は報道利用可否を事前に確認しておかないと、掲載直前で差し替えになります。
会社概要・問い合わせ先の書き方
会社概要には正式社名・代表者名・所在地・設立年・事業内容・URLを記載します。記者が記事末尾にそのまま転記できる形にしておくのが親切です。
問い合わせ先は「広報担当」ではなく実在の氏名と直通連絡先を書いてください。取材依頼は当日〜翌日に来ることが多く、連絡がつかないだけで機会を失います。
対応可能時間や、取材時に提供できる素材(追加データ、担当者インタビュー可否)まで書いておくと、記者側の意思決定が速くなります。
掲載されるプレスリリースの書き方7つのコツ

ここでは、配信数を増やすより先に効く掲載率を上げる7つのコツを、実務での判断基準つきで解説します。
コツ1:1リリース1テーマに絞り込む
最も多い失敗が、複数の発表を1本に詰め込むことです。新機能・値下げ・提携を同時に書くと、記者はどれを主題にすべきか判断できず、結果として全部が弱くなります。
判断基準は明快で、タイトルに2つ以上の事実が入るなら分割してください。分けたほうが配信回数も増え、露出の総量はむしろ増えます。
どうしても関連する複数要素がある場合は、主題を1つ決め、残りは本文下部で「あわせて実施すること」として補足に落とすのが安全です。
コツ2:評価語を削り、検証可能な数値に置き換える
「圧倒的」「大幅に」「多くの企業に」といった表現は、記者が最も嫌う書き方です。裏取りができないため、そのまま記事に使えません。
代わりに「導入120社」「作業時間を月18時間削減」「回答率が32%から58%へ改善」のように、比較可能な数値へ置き換えます。母数と期間を添えるとさらに強くなります。
数値が出せない場合は、具体的な行為の描写で代替してください。「大幅な効率化」ではなく「紙のヒアリングシート12種をスマホ入力に統一」と書くほうが伝わります。
コツ3:「初」「No.1」は必ず出典とスコープを添える
優位性の訴求は有効ですが、根拠のない「No.1」表記は景品表示法上のリスクになります。実際に措置命令の事例も出ています。
使う場合は調査主体・調査期間・調査対象・調査方法・比較範囲を注記してください。「当社調べ」だけでは不十分で、記者も掲載を避けます。
また「業界初」と書くなら、どの範囲を業界と定義したかを明示します。範囲を狭く定義すること自体は問題ありませんが、明示しないと誇大表現と受け取られます。
コツ4:メール件名を30字前後で最適化する
前述の通り、報道関係者の約46%は件名だけで開封可否を判断しています。本文をどれだけ磨いても、件名で落ちれば読まれません。
件名には【調査】【新サービス】【提携】などのラベル+数値+社名を入れ、30字前後に収めます。冒頭に社名を置くのは、知名度がある企業のみ有効です。
迷ったら、「この件名のまま記事タイトルになるか」で判断してください。記事タイトルとして成立しない件名は、ニュース性が伝わっていない証拠です。
コツ5:自主調査データで「一次情報」を作る
自社発表だけではニュース性が弱いとき、自主調査(アンケート)を実施して一次データを作るのが最も再現性の高い手段です。調査リリースは、商品発表より継続的にネタを供給できます。
設計のポイントは「見出しになる数字が1つ出る設問」を先に決めることです。「○○の62%が△△と回答」という見出しから逆算して設問を作ると、確実に使えるデータになります。
n数は最低100、できれば300以上を確保し、調査時期・対象・方法を必ず併記します。ここが甘いと、せっかくのデータが記者に使われません。
▼回答率を落とさずに調査データを集める設計のコツはこちら
👉 ユーザーからの回答率の高いアンケートの作り方【6つのコツ】
コツ6:時流・季節・法改正に接続する
同じ発表でも、世の中の関心事に接続すると採用率が跳ね上がります。法改正、年度替わり、大型連休、記念日、業界イベントなどが接続先の候補です。
やり方は簡単で、背景ブロックの冒頭に「2026年○月の△△改正により〜」のような一文を置くだけです。記者はその一文を記事の導入に流用できます。
ただし、こじつけは逆効果です。自社の発表と時流の間に因果関係があるかを必ず確認し、無理があるなら別の切り口を探してください。
コツ7:記者が追加取材しやすい導線を用意する
掲載の一歩手前で止まる理由の多くは、「もう少し情報が欲しいが、聞くのが面倒」という状態です。ここを潰すだけで通過率が上がります。
具体的には、①追加データの提供可否、②取材対応可能な担当者と日程、③高解像度画像のダウンロードURLをリリース末尾に明記します。
さらに、顧客・導入企業の取材可否まで書けると強力です。記者にとって「事例が取れるリリース」は、単なる発表より圧倒的に記事化しやすくなります。
プレスリリースでよくある失敗例6つと回避策

掲載されないリリースには、共通する型の失敗があります。自社の原稿を配信前にこの6項目で点検してください。
失敗1:情報を詰め込みすぎて主題が消える
「せっかく出すのだから」と全部書いた結果、記者がどこを記事にすべきか分からなくなるパターンです。文字数が3,000字を超えていたら、まず疑ってください。
回避策は、本文の各段落に「これは主題を支えているか」を問うことです。支えていない段落は、別リリース化するか、参考資料へ移します。
失敗2:広告コピーになっている
「あなたの課題を解決します」「ぜひご検討ください」といった読者への呼びかけが入っていたら、それは広告文です。プレスリリースの読者は消費者ではなく記者です。
回避策として、二人称(あなた・貴社)と勧誘表現を全削除してみてください。それだけで文書のトーンが報道向けに寄ります。
失敗3:根拠のない優位性表現を使う
「業界No.1」「日本初」を出典なしで書くと、掲載されないだけでなく法的リスクも抱えます。景品表示法では、合理的根拠のない優良誤認表示は措置命令の対象です。
回避策は、優位性表現を使うたびに「誰が・いつ・何を調べたか」を注記できるかを確認することです。書けないなら表現を落とします。
失敗4:画像がない、または使えない
Webメディアはサムネイル画像が必須なため、画像がないリリースは実質的に候補から外れます。低解像度・縦長・文字が読めない画像も同様です。
回避策は、横長・1,200px以上のメイン画像を必ず添付し、報道利用可である旨を明記することです。ロゴだけの画像は避けてください。
失敗5:連絡先が機能していない
問い合わせ先が代表番号のみ、あるいは担当者不在で折り返しが翌週になるケースです。記者は締切の中で動くため、この時点で候補から外れます。
回避策は、配信当日と翌営業日は必ず連絡が取れる体制を作り、直通の連絡先を記載することです。担当者が複数いるなら2名分書きます。
失敗6:配信して終わりにしている
最も惜しい失敗が、配信後の測定と二次利用をしていないケースです。掲載記事は営業・採用の資産になるにもかかわらず、放置されがちです。
回避策は、配信のたびに掲載一覧をスプレッドシートで管理し、記事URLを営業資料と採用ページへ即反映する運用を決めておくことです。
配信後の分析・活用|見るべき5指標と改善サイクル

プレスリリースのやり方で最も差がつくのが、配信後の工程です。ここを運用に落とせるかどうかで、半年後の成果はまったく変わります。
指標1:掲載件数と掲載媒体の「質」
件数だけを追うと、転載ポータルばかりが増えて実質的な効果がない状態に陥ります。件数と同時に、狙った媒体に載ったかを必ず記録してください。
おすすめは、掲載媒体をA(狙った媒体)・B(関連業界メディア)・C(自動転載)の3段階で分類する方法です。Aが1件出た配信は、Cが50件出た配信より価値があります。
指標2:リリース本文のPVと読了率
配信サービスの管理画面で、PV・流入元・読了率を確認します。PVが伸びているのに問い合わせが増えないなら、内容と提供価値のズレを疑ってください。
逆にPVが極端に低い場合は、タイトルと配信タイミングに原因があることがほとんどです。本文の書き直しより先に、この2つを変えて再検証します。
指標3:指名検索数とサイト直接流入
配信の1〜2週間後に、社名・サービス名の検索数がどう動いたかをSearch Consoleで確認します。露出の実効性が最も素直に出る指標です。
指名検索が動いていれば、たとえ問い合わせがゼロでも認知形成としては成功と評価できます。中長期の判断材料として記録しておきましょう。
指標4:問い合わせ・資料請求などのCV
リリース経由のCVは多くありませんが、質が高い傾向があります。記事を読んで来た人は課題認識が明確なため、商談化率を必ず分けて計測してください。
計測にはリリース本文のURLへパラメータを付与し、経路を切り分けます。ここを設計しておかないと、後から効果を証明できません。
指標5:取材・登壇などの二次接点
掲載そのものより価値が高いのが、記者からの取材依頼、イベント登壇、寄稿の打診です。単発の露出ではなく関係構築の起点になります。
この二次接点を増やすには、同じ領域で継続的に発信し「この分野ならこの会社」と認識してもらうことが必要です。四半期に1本、テーマを揃えて出す運用が有効です。
▼調査データの集計・分析まで一気通貫で行いたい方はこちら
👉 アンケートツール選び方ガイド
プレスリリースの実践事例3パターン
ここでは、BtoB企業が現実的に実行できる3つの発表パターンを、構成の骨子つきで紹介します。自社の状況に近いものから着手してください。
事例1:新サービス・新機能リリース(最も基本の型)
新機能を出すとき、多くの企業は機能の説明に終始してしまいます。しかし記者が知りたいのは「なぜその機能が今必要なのか」です。
推奨構成は、①解決する課題を数値で提示 → ②機能概要 → ③想定利用シーン → ④価格・提供開始日 → ⑤開発責任者コメントの順です。①に自社データを置くだけでニュース性が生まれます。
たとえば「問い合わせ対応にかかる時間が月○時間」という自社調査を冒頭に置き、その解決策として機能を紹介する形にすると、業界課題の記事として扱われる可能性が高まります。
事例2:自主調査リリース(ネタ切れを防ぐ最強の型)
自社で実施したアンケートの結果を発表する型です。商品の新規性に依存せず、四半期ごとに継続発信できるのが最大の利点です。
推奨構成は、①見出しになる1つの数字 → ②調査概要(時期・対象・n数・方法) → ③設問別の結果グラフ3点 → ④考察 → ⑤自社サービスとの関連(短く)です。⑤を長くすると広告色が出るため注意してください。
成功の分かれ目は設問設計にあります。「満足していますか」ではなく「直近3か月で○○を理由に検討をやめたことがありますか」のように、意外性のある数字が出る問い方を選んでください。
▼調査リリース用のアンケートを最短で設計したい方はこちら
👉 ヒアリングシートテンプレート集
事例3:導入事例・顧客の声リリース(信頼性を積み上げる型)
顧客企業と連名で成果を発表する型です。第三者の実名が入るため、単独発表より圧倒的に信頼性が高いのが特徴です。
推奨構成は、①導入前の課題(数値) → ②導入内容 → ③導入後の成果(数値) → ④顧客担当者コメント → ⑤両社概要です。①と③を同じ指標で揃えることが重要です。
実施のハードルは顧客の許諾ですが、顧客側にとってもDXや業務改善の広報材料になると伝えると通りやすくなります。取材とコメント取得を効率化する仕組みを持っておくと、この型は量産できます。
▼実際のヒアリング・診断コンテンツの実例をまとめて見たい方はこちら
👉 ヒアリング&診断コンテンツの実例集
ネタ切れを防ぐ情報収集ツールには『Interviewz(インタビューズ)』がおすすめ!

プレスリリースを継続するうえで最大の壁は、文章力ではなく「発表するネタが尽きること」です。ここを解決する手段が、自社で一次データを集め続ける仕組みを持つことです。
Interviewz(インタビューズ)は、チャット形式のヒアリング・アンケートをノーコードで作成し、顧客の生の声と定量データを継続的に蓄積できるプラットフォームです。集めたデータは調査リリースの原資になり、導入事例の取材工数も削減できます。
Interviewzがプレスリリース運用に向いている5つの理由
理由1:調査リリース用のデータを自社で作れる
外部の調査会社に依頼すると1回数十万円かかる自主調査を、自社の顧客・見込み顧客リストに対して低コストで実施できます。四半期ごとの継続調査も現実的な費用で回せます。
理由2:チャット形式で回答率が落ちにくい
従来のフォーム形式は設問が増えるほど離脱します。Interviewzは1問ずつ表示するチャットUIのため、n数を確保しやすく、統計として使えるデータになります。
理由3:自由記述で「見出しになる肉声」が集まる
リリースで効くのは数値だけではありません。顧客の具体的な言葉は、記者が引用しやすい素材になります。選択肢と自由記述を組み合わせ、両方を一度に回収できます。
理由4:導入事例の取材工数を削減できる
事例リリースの障壁は、顧客への取材調整です。事前ヒアリングをオンラインで完結させれば、対面取材は確認と深掘りだけで済み、事例の量産が可能になります。
理由5:デジタルギフト連携で協力を得やすい
回答インセンティブとしてデジタルギフトを自動付与できるため、社外調査でも協力率を確保しやすくなります。謝礼の発送・管理の手間も発生しません。
▼サービス全体像を1つの資料で確認したい方はこちら
👉 インタビューズサービス概要資料
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👉 インタビューズの新機能プレスリリース
プレスリリースのやり方に関するよくある質問

Q1. プレスリリースの文字数やボリュームの目安は?
A. A4で1〜2枚、800〜1,500字程度が目安です。記者は多数のリリースを短時間で処理するため、長さより「必要な情報が上から順に並んでいるか」が重視されます。
詳細な仕様やデータは本文に詰め込まず、別紙・別URLに逃がすのが実務的です。本文は主題と根拠に絞ってください。
Q2. 配信するタイミングはいつが良い?
A. 一般的には火曜〜木曜の午前10〜11時が反応を得やすいとされます。月曜午前と金曜午後、大型連休の前後は避けるのが無難です。
ただし、共同通信PRワイヤーの報道関係者調査(2024年11〜12月・有効回答330件)では、受信後すぐ確認する記者が48.2%、まとめて確認する記者が29.7%と分散しています。時間帯だけに頼らず、件名の質で勝負する前提を持ってください。
Q3. プレスリリースは無料で配信できる?
A. できます。無料の配信サービスや、メディアへの直接送付、記者クラブへの投げ込みは費用ゼロで実施可能です。
ただし無料サービスは転載範囲が限定的で、有料サービスのような大手ポータルへの自動転載は期待しにくくなります。まず無料で型を作り、成果が見えたら有料へ移行するのが現実的な進め方です。
Q4. 掲載されなかった場合、どうすればいい?
A. まずネタ・タイトル・配信先のどこに原因があったかを切り分けます。開封はされたのに掲載されないならネタか本文、そもそも開封されていないなら件名と配信先の問題です。
そのうえで、切り口を変えて再発信するか、狙った媒体へ個別に企画提案する方法があります。1回で判断せず、最低3〜5回は同一テーマで検証してください。
Q5. 専門用語や英語表記はどこまで使っていい?
A. 初出で必ず補足を入れる前提なら使用可です。業界紙向けなら専門用語は許容されますが、ビジネス誌や一般メディアを狙うなら日本語での言い換えを添えてください。
判断基準は「その業界を担当していない記者が読んで理解できるか」です。社内で当たり前の略語ほど、外部には伝わりません。
Q6. 社内に広報担当がいなくても始められる?
A. 始められます。まずは配信サービスの従量課金プランで年3〜4本から始め、マーケティング担当が兼務する形で十分です。
重要なのは頻度より継続で、四半期に1本、同じテーマ領域で出し続けるほうが、単発で大量に出すより認知は積み上がります。原稿に不安がある場合は、原稿チェックが標準で付く配信サービスを選んでください。
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まとめ|プレスリリースは「書き方」より「設計」で決まる
プレスリリースのやり方は、文章テクニックではなくネタの選定・情報設計・配信先の選択という設計工程で決まります。本記事の要点を振り返ります。
- プレスリリースは「ニュースの素材」。判断権はメディア側にあり、企業は事実と数値の提示に徹する
- 書く前に14項目を埋める。特にニュースバリューと想定見出しが書けない発表は配信を見送る
- やり方は7ステップ。棚卸し→切り口決定→素材収集→執筆→配信先選定→タイミング設計→効果測定
- メール件名が開封の分かれ目。報道関係者の約46%が件名で開封を判断している
- 評価語を数値に置き換える。「圧倒的」ではなく「月18時間削減」と書く
- 配信サービスは3軸で選ぶ。配信量・原稿支援・信頼性のうち、自社に不足しているものを買う
- ネタ切れは自主調査で解決する。四半期ごとの調査リリースが最も継続しやすい型
- 配信後の測定と二次利用まで含めて1サイクル。掲載記事は営業・採用の資産になる
次のアクションは明確です。まず、今期の発表候補を5つ書き出し、14項目の質問表で採点してください。2つ以上のニュースバリューが立つものが1つでもあれば、それが最初の1本になります。
候補が見つからない場合は、自主調査でネタを作るところから始めるのが最短ルートです。顧客の声を継続的に集める仕組みがあれば、リリースのネタは尽きません。
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