WEB接客とは?導入メリットや手順について簡単に解説
- 2022/09/09
- 2023/10/22
目次
近年では、オンライン上での顧客体験が重視されるようになり、WEB接客が顧客体験を向上させる手段として取り組まれています。
WEB接客を有効に活用することで、顧客はオンライン上で疑問点や不安点を解消できるため新しい接客方法として注目を集めています。
しかし、WEB接客についての知識やスキルについては、まだまだ浸透していない企業が多いのも現実です。
そこで今回は、WEB接客を行う上で活用するツールの選び方から活用事例などをご紹介します。ぜひ本記事を参考に、オンライン上での顧客対応を検討してはいかがでしょうか。
WEB接客とは?
WEB接客とは、自社のWEBサイトを訪問したユーザーに向けて、オンライン上で接客することを指します。
WEB接客の内容については、自社の商品を実店舗で接客するのと同様に、商品説明や提案をしたり、コミュニケーションを重ねることで、WEBサイトを訪問したユーザーの購買意欲を高めるような接客を行うのが一般的な方法です。
WEBサイトでは、疑問点や質問点が発生した際、迅速に解決できないと判断された場合ユーザーは離脱してしまいます。WEB接客は、問い合わせ対応と同じ役目を担っており、ユーザー離脱率の低下にも効果的です。
またWEB接客では、サイトにユーザーが訪問しているその瞬間に接客を行うことが商品の購入へ繋がるため、チャットボットなどのAI技術を駆使して、自動でユーザーとのコミュニケーションを図る必要があります。
もちろん自動化するだけでなく、チャットツールでオペレーターが対応する場合もあります。しかし、人手不足が深刻となっている現在においては、できるだけAIを活用して自動化するのがおすすめです。
WEB接客が注目されている2つの理由
WEB接客が注目されている理由は大きく分けて2つあります。
1つ目の理由は、ECサイト業界の競争が激しくなっていることが挙げられます。
EC市場は近年右肩上がりで成長しています。経済産業省の発表によると、日本のEC市場規模は令和2年に19.3兆円に到達しました。業界全体の活発な動きが分かります。
市場規模の拡大に伴い、ECサイトも比例して店舗数が増えています。新規顧客の獲得競争が激しくなっており、獲得の難易度が高くなった新規顧客よりも、リピーターの確保を優先的に行うECサイトは近年増加しています。
WEB接客ツールは個人のニーズに合わせた接客が可能です。ユーザーからの信頼や評価も上がり、コンバージョン率向上が期待できるため、リピーター獲得数も比例して増えていくでしょう。
2つ目の注目されている理由は、データの分析技術の確実性が向上している点です。近年はデータ分析技術の向上が著しく、データ分析のスペシャリストを体制に取り入れマーケティングに活用するケースが多くなっています。
ECサイトでコンバージョン率を上げるには、顧客個人のニーズを意識したマーケティングが必要になります。
しかし、人の力でユーザー1人1人のプロファイルを作成して、リアルタイムで接客するのは物理的に不可能なため、自動化を図れるWEB接客ツールが注目されています。
WEB接客なら、人の手では対応不可能な膨大なデータを分析し、個人のユーザーに最適な接客を提供することが可能です。ユーザーの満足度を高めて、CVRに繋げるという観点からWEB接客は注目されています。
出典▲経済産業省 電子商取引に関する市場調査の結果
WEB接客の3つの型とは?
WEB接客を行う際に使用するツールは大きく分けて、次の3つがあります。
- ポップアップ型
- チャット型
- ハイブリッド型
上記の中から、機能の豊富さや、対応したい内容によってそれぞれの型を使い分けましょう。以下の3つの型の特徴を掴んだ上で、自社の商品や目的にあった形を選んでください。
1.ポップアップ型
ポップアップ型のWEB接客ツールとは、適切なタイミングで広告やクーポンを表示することや問い合わせフォームをタイミングで表示するツールを指します。
ポップアップする内容やタイミングは設定できるので、ユーザの行動予測を行い適切なタイミングでポップアップを表示しましょう。
適切なタイミングはユーザーの心理的に使いやすいサイトと判断されやすく、購入や資料請求といったコンバージョンに繋がりやすいです。
ポップアップ型のWEB接客ツールを活用する際は、以下のようなタイミングでポップアップを表示するのが効果的です。
・一定時間以上ページに滞在したとき
・一定量画面をスクロールしたとき
・ブラウザの戻るボタンを押したとき
・画面の外にマウスカーソルが外れたとき
上記のように「購入を渋っていると考えられる行動を取ったとき」や、「サイトを離脱しようとしているとき」を狙って適切なポップアップを表示させることにより、離脱率を減らし購買率を高められる可能性があります。
表示させるポップアップの内容は、自社で作ったクリエイティブを利用できるため、クーポンやメルマガ入力フォームといったWEBサイトに合ったものを準備しましょう。
2.チャット型
チャット型のWEB接客ツールとは、WEBサイトの右下などのページを閲覧する際に邪魔をしない場所にチャットを埋め込み、チャットを通じて接客を行う手法です。
チャット型のWEB接客ツールには、大きく分けて2種類があります。1つ目は、主にオペレーターが対応する人力タイプで、もう1つは、自動システムを活用したAIシステムタイプです。
オペレーターが対応する場合は、ユーザーの質問に対して臨機応変な対応ができます。一方で、手間がかかることや夜中など対応が難しい時間帯があるといったデメリットもあります。
オペレーター対応を行っている企業は、夜中の対応が不可能な時間帯は、決まった質問と回答を用意したシナリオを活用し、夜中のみ自動でチャットを行うケースもあります。
このようなシステムを活用することで、全体のユーザーに平等に実施しやすく、人件費を削減しながら効率的にWEB接客を行うことが可能です。
AI型のシステムの場合は、自動で問い合わせに対応してくれるため、人件費の大きな削減に繋がります。しかし、AI型は回答を覚えさせる学習期間が必要となるため、導入当初は多くの時間とコストが必要になります。
ただし、ポップアップ型とチャット型を比較すると、チャット型のツールを利用する方が顧客満足度を高めるのに効果が高いと言われています。特にチャットボットを導入することは、以下のようなメリットに繋がりやすいのが特徴です。
・365日24時間体制で顧客の質問に応答できる
・複数人の顧客に同時に対応できる
・オペレーターの負担や人件費を削減できる
・オペレーターのスキルや経験値による対応の差が出にくい
上記のように、チャットボットを活用することで、多くの顧客に一定水準のサポートを提供できるだけでなく、コストの削減にも効果があります。
ただ、初めて採用する場合には、チャットボットに対応を任せるのが不安という方も多いでしょう。しかし、チャットボットにはAIによる学習機能がついており、もし対応が難しい場合にはオペレーターに繋げられる機能などもあります。
そこでWEBサイトの運用を続ける際は、よりよい接客を実現するためのさまざまなケースにおけるデータを蓄積しながら、試行錯誤を繰り返すことが重要です。
ポップアップ型とチャット型のハイブリッドケースについては、以下を参考にしてください。
3.ハイブリット型
ハイブリット型はポップアップ型とチャット型の両方の機能を兼ね備えたWEB接客ツールを指します。
チャット型は自動で返信を行いますが、高度な質問や問い合わせがきた際はすぐにオペレータによるサポートを手配します。
ハイブリット型は、オペレーターが付きっ切りで対応する訳ではなく、一部の業務は自動対応で解決できるので、人件費を抑えながらユーザー満足度を向上できるシステムになります。
しかし、ハイブリット型は機能の種類が多く、導入や運用費用が比較的高くなりやすいため、費用面は事前に確認しておきましょう。
WEB接客ツール導入のメリット3選
WEB接客ツールを導入すると平均単価が上がる、離脱率が下がる、コストを抑えれるなどの3つのメリットが目立ちます。
WEB接客ツールを活用することで実店舗での接客で得られるような効果が期待でき、人が実働する負担を軽減できるでしょう。
以下で3つのメリットを詳しくご紹介します。
メリット1.平均単価が上がる
WEB接客では訪問したユーザーの目的に合わせてコンテンツを案内したり、疑問を解決したりと様々な役割を持っています。
ユーザー導線を作り込んでいくことでサイトの回遊時間の短縮になり、コンバージョンページまでのスムーズな誘導が可能になります。
ポップアップ型のWEB接客ツールの活用で同時購入クーポンの発行をしたり、購入額が大きくなると適用される送料無料のサービスなどの施策を行うことで購入額を増加させることができ、それに伴う顧客の平均単価の向上が見込めます。
メリット2.離脱率が下がる
WEBサイトでは、ユーザーが思っている趣旨や内容がサイトと異なる場合は離脱してしまいます。
WEB接客ツールは、訪問したユーザーからの疑問点や改善策のやり取りが可能になり、コミュニケーションがとれるため離脱をする前に疑問や不安を解決することができます。
例えばユーザーがブラウザを閉じようとした際にポップアップを表示したり、購入を迷っているユーザーのみにクーポンを配布することも可能です。WEB接客ツールは離脱率の低下にも貢献できると期待されています。
メリット3.コストを抑えれる
WEB接客ツールは、商品についての疑問点の回答をオペレーターではなく自動で回答してくれるため、人の対応タイミングが減少し人件費の削減に繋がります。
しかし、オンラインでの商品購入は購入後に「思っていたものと異なる部分があった」「商品の紹介している文章と機能が異なる」など失敗するケースも少なくありません。
WEB接客ツールの活用で実店舗のように商品の紹介などをシナリオで設定できるため、商品を購入した後のクレームが減少に期待できます。
クレームが減少すると人の手で対応していた時間が無くなり、総合的に人件費の削減に繋がります。
WEB接客の導入手順5ステップ
WEB接客を導入するときは以下の5つのステップで導入しましょう。
設備の準備やスタッフへの研究、教育が導入後の効果に大きく関わってくるため、しっかりとした手順を経てWEB接客の導入を行いましょう。
1.設備や機材の準備
WEB接客を導入する際に必要な機材にパソコンなどが挙げられます。パソコンはWEB接客を行う上で画面共有を行いながら接客したり、AIで対応できない疑問点やお問い合わせについてオペレーターが説明する際に使用します。
スムーズな接客を行うために、パソコンの性能はなるべくストレスを感じないような余裕のあるハードウェアの物を用意しましょう。
もし、パソコンを移動させずにデスクで取り扱う場合は有機LANを使用する方が、安定した接続状況が維持できるためおすすめです。
パソコンが用意できない場合は、タブレットなどの端末でも代用可能です。カメラを通して接客する際はユーザーの疑問点の聞きこぼしを無くすためにイヤフォンを使用するのもおすすめです。
WEB接客において必須の準備ではありませんが、表情をより良く見せるためにスタンドライトを使用する工夫も頻繁に取り入れられています。
2.マニュアルの作成
設備の準備ができたら対応マニュアルを作成しましょう。オンライン上での接客はトラブルが起こりやすいです。
例えば、WEB接客している最中に接続が切れてしまったり、回線の関係で通話自体うまく繋がらなかったりという問題が発生します。
実店舗の接客と同様に何かトラブルがあった場合の対応マニュアルを決めておきましょう。
3.スタッフへの研修・教育
スタッフ研修や教育も導入前に確認が必要です。スタッフ全員が問題なくオンライン接客ができるわけではありません。
中には接続方法やトラブルの対応方法が分からないスタッフがいる可能性もあります。新しくWEB接客ツールの導入を行う場合は全員に使い方の研修を行いましょう。
実際にユーザーとのWEB接客中に何かあっても慌てないように、以下の項目を研修として行いましょう。
オンライン接客の一連の流れ
機材やシステムの操作方法
カメラや通話中の画面の操作方法
接続に問題があった場合の対応
4.ロールプレイング
研修が終了したら、一連の対応をユーザー役とスタッフ役にわかれてロールプレイングを行いましょう。
ユーザー側は、実際にWEBサイトからオンライン接客までの流れを体験しておくことでユーザーが操作方法が分からない場合に対応ができます。
スタッフ役は本当にユーザーに対して接客を行っているつもりで対応しましょう。商品説明や質問への応答などの接客をしっかりできるのか、機材やシステムの使い方に問題はないかを確認します。
ロールプレイングはWEB接客導入後も改善点を見つけるために、定期的に行うことがおすすめです。新しい問題点などが発見でき、サービスと接客の質の向上が期待できます。
5.導入開始
以上の手順が完了したら、いよいよWEB接客を導入してみましょう。
導入後はユーザーの行動分析や接客時の改善点などを見つけていき、随時マニュアルを変更したりシナリオを設定し直すなど即座に対応していくことが大切です。
WEB上では具体的な数字が多く算出できるため、より分かりやすい改善点が出てきて明確な修正が可能なためコンバージョンに繋げやすくなります。
Web接客ツールを選ぶ4つのポイント
このように、WEB接客ツールにはさまざまな種類があり、目的によって導入すべきツールの形態が変わります。そこで以下では、WEB接客ツールを選ぶ際のポイントを解説します。
WEB接客ツールを選ぶポイントは、次の4つです。
- 導入目的に合っているか
- 必要な機能が備わっているか
- 運用体制に適しているか
- 運用コストが適しているか
それぞれ詳しく解説します。
1.導入目的に合っているか
WEB接客ツールを導入する前に、何を目的として導入するのかを明確にすることが大切です。
ポップアップ型は、ユーザーのニーズに合わせて最適な情報や提案を表示できるため、購買行動を促し、CVR率の向上にも繋がります。
一方チャット型は、ユーザーの疑問点を速やかに解決できるため、顧客満足度を上げるのに最適なツールです。
ハイブリッド型は、機能が豊富で幅広く活用できるため初心者には難しく、システムを理解している上級者向けのツールと言えるでしょう。
このように、導入目的を明確にしていなければ、どのタイプのWEB接客システムを導入すればよいのかが分からず、実際の業務とWEB接客ツールとのミスマッチが起きる可能性があります。
万一ミスマッチが起きると、せっかくコストをかけて導入したツールが無駄になるため、十分に注意しましょう。
2.必要な機能が備わっているか
WEB接客ツールは、それぞれに備わっている機能が異なるため、必要としている機能が装備されているかを見極める必要があります。
最初から非常に豊富な機能が装備されたツールもありますが、必要以上の機能があっても使いこなせなければ意味がなく、コストを無駄に消費してしまう可能性があります。
そこで運用に手間をかけたくない場合は、必要最低限の機能が備わっているものを選ぶのがおすすめです。できる限りコストを削減して、無理のない運用を心がけましょう。
3.運用体制に適しているか
WEB接客ツールは、最初に導入したら終わりという訳ではなく、導入後も改善を続けていく必要があります。
WEB接客ツールを導入する際は、自社の運用体制に合っているシステムを選ぶことにより、作業をスムーズにすすめることができます。ただし、企業それぞれがWEBサイトの運用体制を作るなかで、導入ツールを使いこなさなければなりません。そして運用を行いながら、ツールの変更や体制の見直しを行うことが重要です。
見直しは余計なコストがかかってしまうため、運用体制に合ったWEB接客ツールを導入しましょう。ツールを正しく使いこなすことによって、より良いサービス提供に繋がります。
また、カスタマイズ性やコンサルティングサポートがしっかりしているツールは、自社の体制に柔軟に対応できるためおすすめです。
4.運用コストが適しているか
WEB接客ツールを選ぶ際は、自社の運用予算に合ったWEB接客ツールを選ぶことも重要です。
WEB接客ツールにどれだけのコストがかけられるか、ツールを導入した場合どれくらい売上アップやコストカットができるかなどを試算して、収益がプラスになるものを選びましょう。
また、ツールによっては無料トライアル期間が設けられているサービスもあるので、自社との相性を見てから導入するのがおすすめです。
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WEB接客導入の注意点
WEB接客を導入後もシナリオを設定して接客していく流れを作るだけでは、更なるユーザー満足度の向上や自社の効率は上がりません。
WEB接客を取り入れたことで今までになかった効果が得られますが、反対に今まで発生することのなかった問題も出てくる可能性があります。
新しい問題が発生した都度に素早い改善案を見つけ、迅速に対応できる運営体制を心がけて導入を行いましょう。
WEB接客まとめ
WEB接客導入のメリットや手順をご紹介してきましたが、WEB接客は実店舗と同様のサービスを向上させるための一つの方法にすぎず、自動化に頼り過ぎないように意識した上で運営を行いましょう。
WEB接客は導入に一定の時間がかかり、ツールにも費用がかかる場合がほとんどですが、導入した時のメリットを考えるとWEBサイトの信頼が上がる可能性が高いため導入をおすすめします。
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