カスタマーサポート運用におけるKPI指標とは?役割を分かりやすく解説
- 2022/08/12
- 2024/05/02
目次
カスタマーサポートは顧客満足度やリピート率の向上を図る上で重要な役割を果たしますが、運用の方法や正しいKPIの指標をどのように設定すれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。
カスタマーサポートの適切な運用は、企業にとって多くの利益をもたらす重要な要素です。
そこで今回は、カスタマーサポート運用の正しいKPI指標の取り方や、カスタマーサポートの役割などを解説します。
カスタマサポートの導入を検討されている方や、既に導入しているが運用方法がわからない方は、本記事を参考にしてカスタマーサポートを効果的に活用してください。
カスタマーサポートの業務内容とは?
カスタマーサポートの業務内容は、顧客からの質問の回答やクレーム対応から顧客管理や社内業務など多岐に渡ります。
カスタマーサポートは顧客にとって企業と接点が持てる窓口なため、カスタマーサポートの担当者には丁寧な対応と顧客の要望に迅速に応えるスキルが求められます。業務内容を詳しく見ていきましょう。
顧客対応
顧客対応はカスタマーサポートの主な業務内容の一つです。顧客からの質問や問い合わせを丁寧に対応し、課題解決に努めます。
企業によって異なりますが、対応しているチャネルは多岐にわたり、電話やメール、チャットサービスやSNSなど様々なツールで行います。
また、クレーム対応もカスタマーサポートの業務内容です。経験が浅い従業員には荷が重い業務となりますが、クレーム内容を正確に聞き出した上で課題改善を提案します。丁寧かつ顧客の声を聞くことで、顧客は安心するため結果的に企業への印象が良くなります。
顧客への対応は直接企業の価値に繋がるため、企業にとっては重要な部署と言えます。
社内業務
カスタマーサポートでは顧客対応以外にも、顧客から寄せられた意見のデータ化や他部署への共有など、顧客対応以外にも業務があります。
顧客とのやり取りで多く寄せられる意見をデータ化することで、サービスの問題点を洗い出すことが可能になります。
また、他部署へ顧客意見を共有することはサービス改善に繋がるため重要な業務になります。
カスタマーサポートの役割3つ
カスタマーサポートは顧客からの問い合わせに対し、解決策を提案する業務が多いです。顧客にとってはカスタマーサポートが企業との窓口になるため、担当者の印象が企業への印象となります。
では、カスタマーサポートの業務内容はどのような役割を果たしているのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。
1.リピート率の向上
カスタマーサポートは顧客対応によってリピート率を向上させる重要な役割を担っています。
顧客からの問い合わせに対して丁寧かつ迅速な対応を行うことで、顧客満足度の向上に繋がります。
顧客が直接企業とやり取りする窓口がカスタマーサポートであるため、不明点の解決が実現した場合には、サービスの充実性を感じるでしょう。
顧客へのサービス説明やサービスの不明点解決は、結果的にリピート率の向上に繋がるため、カスタマーサポートは重要な役割を果たします。
2.顧客満足度の向上
顧客の問い合わせ対応やクレーム対応を丁寧に答えることで、顧客満足度の向上に貢献します。
カスタマーサポートでは、さまざまな問い合わせが寄せられます。中には同じような内容も多いですが、一人ずつ丁寧に対応して課題解決することにより顧客が満足するため、企業の印象が良くなるでしょう。
顧客が困っている際に助けることで、顧客自身が「助かった」と思うことが多いため、顧客満足度の向上に繋がります。
3.顧客の意見を反映させたサービス改善
カスタマーサポートでは、顧客からの個別の問い合わせ内容に応えるため、サービスの問題点が自然と可視化されます。
また、顧客からの問い合わせが多い内容は顧客が理解しにくいと判断したものであるため、改善の余地があると言えるでしょう。
問い合わせが多い内容をまとめ社内への提出を行うことで、顧客の意見を反映させたサービス改善が可能です。
このように、カスタマーサポートは顧客対応だけでなく、サービス全体の問題点を集める部署としての役割も担います。
カスタマーサポート運用までの導入手順6ステップ
カスタマーサポートは顧客対応のみ行うものでなく、サービス改善や顧客満足度の向上を図る上で重要な役割を担っています。
カスタマーサポートの導入を検討している企業は近年増加しています。導入までの正しい手順を理解した上で導入の検討をしてみましょう。
ステップ1.カスタマーサポートで達成したい目的を定める
カスタマーサポートを導入する際は達成したい目的を明確に定めましょう。
導入する理由が明確でない場合、人材採用や教育段階で目的達成に向かわない内容になりかねません。また、導入理由を明確に掲げれないと社内からの疑問の声が上がるケースもあります。
何のために導入するかの意識統一を社内で行いましょう。
ステップ2.カスタマーサポートの運用体制を決める
導入目的が定まれば、カスタマーサポートを運用する体制を整えましょう。
導入目的が明確に定まっていても、運用の体制が整っていないと円滑な運用は行えません。また、カスタマーサポートは顧客とのやり取りが基本になるため、適切な人材の確保を行う必要があります。
運用体制の基本ルールを定めておくことも必要です。
主な基本ルールを定めた上で運用が可能か判断しましょう。
- 電話の処理時間
- 電話対応件数
- 顧客からの評価
- オペレーターの稼働率
ステップ3.カスタマーサポートに必要な設備を整える
運用体制の基本ルールを定めた後に、カスタマーサポートで必要な設備を整えましょう。
カスタマーサポートを一から導入する場合は、思いのほか多くの機材が必要になります。電話設置や運用する際のツールなど時間を有するものもあるため、事前に何の設備に時間がかかるかを調べておきましょう。
必要な設備は以下になります。
- 必要設備
- 説明
- 電話の設置
電話回線・ヘッドセット・PBX(電話交換機)を必要数用意し、アナウンス、通話録音などの設定を行います。
ネットワークの設計
自社のネットワークセキュリティポリシーの要件に合うネットワーク設計を進めます。
施設備品の手配
カスタマーサポートの拠点となる場所や施設の席数、文房具、コピー機など、の備品を手配します。工事スケジュールに沿って準備を進めていきましょう。
顧客情報管理などツールの準備
顧客情報管理ツールを用意します。現場のオペレーター目線で使いやすさを検証しながら、各種情報の設定を行いましょう。管理者とオペレーターの権限設定も事前に行っておきます。
ノンボイスサービスの準備
電話以外のノンボイスサービス(Webチャット、メッセージングアプリなど)を導入しましょう。
運用利用ツールの準備
運用で必要となるシステム(勤怠管理ツール、業務結果分析ツール)を準備しておきます。
ステップ4.カスタマーサポートの運用マニュアルを作る
カスタマーサポートの必要な機材の準備とともに運用マニュアルの作成を進めていきましょう。
新しい部署を設立する際には、人材はもちろんカスタマーサポートのノウハウも整っていない状態です。研修期間などでも活用できる運用マニュアルを作成しましょう。
運用マニュアルはノウハウの教育以外にも以下のようなメリットがあります。
- 応対品質を一定に保つことができる
- 効果的な人材育成方法を統一して行ってもらうことができる
- 業務中に操作などに効率的に業務をすすめられる
ステップ5.カスタマーサポート運用担当者を決める
運用マニュアルの作成を進めるとともに運用担当者などの人材を確保しましょう。
カスタマーサポートを運用する上でオペレーターは一定数必要です。新規で新たに募集するのか、社内で人材を募集するのかを判断しましょう。
オペレーターなどの職種は人材不足が常態化しているため、採用競争が激化しています。優秀なスタッフを確保するためには、応募者に選ばれる魅力的な条件や労働環境、業務内容のアピールが求められるでしょう。
新規オペレーターを募集しながらも社内で人材の確保がおすすめです。
ステップ6.運用開始
人材の確保ができれば、いよいよ運用を開始します。
運用開始時には電話が繋がらないことや対応が遅いなど様々な機材トラブルや運営トラブルが予想されます。
運用時に顧客に迷惑をかける可能性もあるので、余裕がある場合はテスト期間を設けましょう。
テスト期間を設けることで、ミスやトラブルに対する対処や改善が可能となります。
テスト期間中で課題や改善部分を洗い出し、改善する方法を常に探しながら運用を行いましょう。
カスタマーサポート運用を成功させるためのポイント3つ
カスタマーサポートの運用が円滑に進めば、顧客満足度の向上やリピート率向上など多くのメリットがあります。
一方、運用体制などが適切に行われない場合顧客の信用を落とす可能性もあるため注意が必要です。
カスタマーサポートを適切に運用するポイントを3つご紹介するので、理解した上で運用を行いましょう。
1.業務を属人的に行わない
カスタマーサポートでは業務を属人的に行わないようにしましょう。
属人的とは個人で全てを完結してしまうことを指します。
カスタマーサポートに寄せられるクレームや問い合わせの内容は、社内で共有すべき重要な議題です。対応したオペレーターのみに留まらないように対策を行いましょう。
定期的な報告会や顧客の情報共有などを行うことで、業務の属人化を防ぐことが可能です。
2.他部署との連携を行う
カスタマーサポートでは他部署との連携を定期的に行いましょう。
カスタマーサポートに寄せられる意見や問い合わせ内容は企業のサービスの問題点です。問い合わせ時はオペレーターが対応したとしても、寄せられた意見は他部署へ伝達しなければ顧客の意見はサービスに反映されません。
カスタマーサポートの運用を行う際は、他部署とカスタマーサポートのオペレーターとの定期的な共有会議などを行うことで顧客の意見が社内全体に伝わります。
3.顧客の意見をデータ化する
カスタマーサポートに寄せられた顧客の問い合わせ内容やクレーム内容はデータ化して蓄積しましょう。
顧客から寄せられる意見は企業にとってサービス改善の大事なヒントになります。またオペレーターの対応方法なども記録しておくことで教育マニュアルの改善にも繋がります。
自社のカスタマーサポートの運用能力や対応力を上げる場合に大いに役立つため、顧客から寄せられる意見はデータ化して、改善に努めましょう。
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カスタマーサポート運用における3つのKPI指標
カスタマーサポートの運用は顧客からの問い合わせ内容に答えるだけで、顧客の電話がない限りは別の業務を行うように思えますが、目指すべきKPIが存在します。
カスタマーサポートの品質向上には多くのKPIが存在しますが、今回は主な3つを取り上げます。KPIは最終目的を達成するための複数の項目だということを理解した上で、設定しましょう。
1.サービス継続率
カスタマーサポートではサービス継続率を運用の指標として定めましょう。カスタマーサポートでは顧客がサービス購入後の使用方法や使用した際の意見などを聞く機会が多くあります。
カスタマーサポートのオペレーターは寄せられた意見をもとに課題解決に取り組むため、顧客のサービス継続率はオペレーターの対応によって左右されます。
サービス継続率を高く保つことができれば、企業にとって大きな利益へと繋がるでしょう。サービス継続率の計算方法は以下です。
- 一定期間のリピーター数÷一定期間の新規顧客数×100=継続率
2.電話応答率
カスタマーサポートを運用する上では電話応答率を高く設定しましょう。電話応答率とは電話での問い合わせがきた件数(着信数)に対して、オペレーターが応答できた件数の割合です。
電話応答率は顧客の問い合わせに応答できたかを表す数値になるため応答数が低い場合、顧客対応が間に合っていないと言えます。
カスタマーサポートでは、電話応答率を少しでも上げることが求められるでしょう。
電話応答率の計算方法は以下になります。
- 応答件数 ÷ 着信数×100=応答率
3.問題解決率
カスタマーサポートを運用する上では問題解決率を重要視する必要があります。カスタマーサポートでは、顧客の問い合わせの解決数は重要な指標になります。問い合わせ数に対して解決できた件数の比率が課題解決率です。
問題解決率が低い場合は、顧客の疑問点を解決できないまま対応が終わってしまうため顧客満足度の低下や、リピート率の低下に直結します。
カスタマーサポートを運用する際は、顧客の問題をいくつ解決できたかは大きな指標になります。
問題解決率の計算方法は以下になります。
- 解決数÷問い合わせ数×100=問題解決率
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カスタマーサポートで対応する5つのチャネル
カスタマーサポートで対応可能なチャンネルは近年増加しています。
一昔前では電話のみの対応でしたが、近年ではSNSを始めサイト上のFAQツールなど様々なチャネルで対応しています。
それぞれのチャネルの特徴を見ていきましょう。
1.電話
電話によるサポートは多くの企業が取り入れており、従来から使用されているサポートチャネルです。
電話のメリットはリアルタイムで会話のやり取りが可能なため、疑問点の早期解決などを行う際は必要なチャネルと言えます。
一方電話対応は友人オペレーターを有する上、対応時間も決まっているため限られた時間での問い合わせが必要です。
2.メール
メールは、顧客が企業とコミュニケーションを取るうえで広く利用されているサポートチャネルです。
適切なメール管理ソフトウェアの使用で、カスタマーサポートでのやり取りを一元的に整理できるので、別の担当者に対応を割り当てたりする上でメールは手間のかからないチャネルの一つになり得るでしょう。
メールのメリットは、メールアカウントを持っていない人が現在では少なくなっている点と、顧客がいつでも問い合わせできる点です。
メールは、一般的に企業が最初に設置するサポートチャネルです。
3.チャット
チャットによるサポートは近年増加しているサポートチャネルの一つです。
近年顧客は、Facebook Messenger、SMS、WhatsAppなど、友人や家族とのコミュニケーションに使用しているチャネルで企業ともやり取りしたいと考えるようになっています。
2020年には、チャットボットによる顧客対応を行う企業が増加し、WhatsAppに次いで多くの問い合わせに対応しました。
チャットボットは24時間体制のサポートを可能にし、何度も寄せられる簡単な問い合わせをサポート担当者の代わりに処理してくれるため、カスタマーサポートにとっては労働時間外も顧客対応できる重要なツールとなっています。
4.SNS
企業のSNSによるサポートも近年増加している傾向にあります。
FacebookやTwitterなどのSNSチャネルを通じて顧客にサポートの提供が可能です。
企業は、顧客が普段から利用しているチャネルで顧客とつながることで、質問に迅速に答えることができるメリットがあります。
5.FAQ
カスタマーサポートのチャネルではFAQツールも優秀なツールの一つです。
対応の速さでは、チャットボットとFAQツールが挙げられます。FAQツールは同期性が高く、顧客が問題への回答をすぐに得られるため、利用率が急増しました。
FAQツールは24時間対応が可能な上、担当者が一度に複数の顧客に対して回答できるため対応の効率化ができるでしょう。
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カスタマーサポートの運用まとめ
カスタマーサポートの運用は企業に大きなメリットを与えますが、運用方法や導入手順が適切に行われないと失敗に陥ってしまうケースもあります。
カスタマーサポートを正確に運用するには、社内で定めるKPIを求めながら運用を行いましょう。
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